その後かずの咳も治まったみたいで、



「かず、咳が止まったみたいでよかったね。」

と言うとかずはぎゅっと僕に抱きついてきて、


「心配してくれて、ありがとう潤のくん。」


と言いました。






抱きついてきたかずの体温はいつも通りで、お熱もなさそうなのでホッとしていると神様が、


「ゴホンッ!!
今から作戦会議をするぞーっ!!」



とのんびりとした声でそう言いました。






「ほら、和。
潤から離れて神様の話しをちゃんと聞かないと。」


と、しょおくんがかずの肩に手を置いてそう言うと、


「はいはい。
分かりましたー。
ふふ…ヤキモチ妬いてるんだねー。」


とポツリと言い、しょおくんは、

「和っ!!
うるさいっ!!」


とほんの少し赤い顔をしてそう言いました。






焼き餅…。

どこにあるのでしょうか…?

僕、きな粉餅にして食べたいですっ!!


と思い、キョロキョロとしていると神様に、



「潤。
和と翔ちゃんの事はほっとけ。
ついでに焼き餅は今ここにはないからきな粉餅はあきらめろ。」


と言われて、


「神様すごいですっ!!
何で僕がきな粉餅が食べたいと分かったんですか?」


と聞くと、


「お前の考える事くらい直ぐに分かるさー。」


と神様はふんわりと笑いながらそう言いました。



やっぱり神様はすごいですっ!!


でも…。



僕…お餅が食べたかったです…。


とちょっぴりガッカリとしていると、







「とりあえず皆んな座ってくれ。」



と神様に言われて、かずと相葉さんが隣同士に、しょおくんと僕が隣同士に座ると、




「さっき、翔ちゃんと相葉ちゃんには説明した通り…。

本日櫻井家に団子泥棒が現れたので、そいつをオイラ達で捕まえてやろうと思っている。」


ミャーッミャーッミャーッ!!



と神様と嵐が張り切ってそう言いました。



「大ちゃん、俺たちは何をすればいいのかな?」



と相葉さんが神様に聞くと、神様は、



「おう。
その件だが、今から発表するぞぉっ!!」


と言うと着物の胸元から折り畳まれた紙を取り出して、台所のテーブルに、


カサカサカサッ



と広げました。





紙には墨で櫻井家の間取りが描いてありました。






神様は、かずと僕が盛り付けをしたお月見団子を指差しながら、


「まず、このお月見団子を台所と玄関、そして和室に置いて、それをそれぞれペアになって見張ろうと思っている。」



と言いながら赤いマル印のついたお部屋を指差しながらそう言いました。





〝ペア〟って何だろう?

熊さんの事ですか?



と思い首を傾げて、

「ペアって…?」

と呟くと、しょおくんがそっと僕の(狐の)耳元で、

「2人一組になる事だよ。」


と、小声で教えてくれました。






「で、相葉ちゃんと和は台所を、翔ちゃんと潤は和室を、オイラと嵐は玄関を担当するっ!!


最終的にはこの翔ちゃんと潤の居る和室に追い込んでそこでとっ捕まえてやるぞっ!!」


と神様が拳を握った右手を振り上げてそう言いそれに続いて僕達も、



「「「「おーーーーーっ!!!!」」」」


ミャーッ!!


と言いながら拳を握った右手を振り上げたのでした。





「では、団子泥棒探しの開始だっ!!」





と言う神様の合図で、僕としょおくんは三方に飾られたお月見団子を和室に運ぼうとするとこだまちゃんがやって来て、



「翔、潤ちゃん。
これも一緒に飾ってね。」


と言い、細長い花瓶に入ったススキとカゴに入れられた里芋、さつまいも、枝豆に甘栗(僕の大好きな栗です♡)が入っていました。




「こだまちゃん、甘栗…美味しそうー。」


と言うと、


「お月見は豊作を祝う行事でもあるから、秋に収穫されたばかりの農作物をお供えするんだけど…。
栗がなかったから甘栗にしちゃったの。
後で潤ちゃん、一緒に食べましょうね♡


とこだまちゃんは顔を傾けてニッコリと微笑んでそう言いました。





「はいっ!!
こだまちゃんと一緒に食べますっ!!」

と言うと、




「母さん…流石に甘栗は…。」


と、しょおくんはなんだか眉毛をハの字にしてそう言いました。



僕は栗は普通の栗も甘栗もケーキになった栗も大好きなので、


「こだまちゃん。
僕はいいと思うよ。」


と言うと、こだまちゃんはニッコリと笑って、


「そうよね〜。
翔は頭が固いのよ。
それじゃあお供え物もお願いねー。」


と言いこだまちゃんは立ち去っていっちゃいました。















































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