空の色

























試験も無事終わり夏休みを迎えようとしていたある日、俺はいつもの様に部活のサッカーが終わると美術室へ智くんと潤を迎えに行ったのだ。


    








「お邪魔しまーす。」





と智くんの邪魔をしない様に小さな声でそう言いながら美術準備室の中へとはいると、そこにはいつもは居るはずの智くんの姿はなく、潤が1人赤いベルベット素材のソファーの背もたれ側に体を向けて両ひじを背もたれについて掃き出し窓から空を眺めていたのだった。



潤の眺めている空をふと見上げると、青と白を混ぜて作った様な昼間に比べると薄い青色の空に水平線付近の雲はほんのりオレンジ色に輝いていた。







そんな、日が暮れようとしている空を潤は楽しそうに見つめていていたので、




「潤。
今日はどんな雲が見えるのかな?」



と潤の背後から話しかけると、




「ヒィッ!!!!」



と潤は飛び上がると、引き攣った顔で恐る恐る振り向いたのだった。






















空の色  ⑦





























「ハッハッハッハッハッ!!
ごめん…ごめん…。
潤があんなに驚くと思っていたなかったから…。」


とあの時の潤の驚いた顔が忘れられず、笑いながらそう言うと、



「しょおくん、そんなに笑わないでよ。
俺…背後から話しかけられるの苦手なんだから。」



と潤は口を尖らせると、拗ねながらそう言った。




「ふはっ。
いやー、ごめん、ごめん。

それよりも、智くんは?」

と潤に問うと、


「智は山葉先生に呼ばれて職員室に行ってるよ。
しょおくんに『少し待ってて。』って伝えておいてといってたよ。」

と潤がそう答えた。




「そうなんだ。
何の用事なんだろうね。」


と言うと、


「秋にあるコンクールがどうのこうのって言ってたよ。

智ってさ、本当に絵が上手だし凄いよね。」


と潤は俺の方を向いてニッコリと微笑みながらそう言った。



「ああ。
昔っから智くんは手先が器用だから、絵を描いたり粘土で何かを作ったりするのが得意なんだよね。」




「へぇー。
粘土も得意なんだ。
普段はボーッとしてるのにね。」


と潤はクスリと笑いながらそう言った。





智くんの事を話す潤はどことなく柔らかい表情に見えてしまい、


「前から思っていたんだけど…。

潤ってさ…。」




智くんの事が好きなの?



と言いかけて…。


言葉を飲み込んでしまった。



だって…。



そう言って潤が、


『うん、そうだよ。
俺、智の事が好きなんだ。』


なんて言って…


『しょおくん。
どうすれば智に俺の気持ちが伝わると思う?』



なんて智くんの事を相談されてしまうと、俺はきっと立ち直る事が出来ないから…。
(暫くは寝込むな…。)








「な〜に?
しょおくん…。
言いかけて黙るから気になるじゃん。」



と俺がそんな事を考えているなんて知らない潤は、ニコニコとしながらそう言った。





「あ…ああ…。
何を言おうと思ったか忘れてしまって…。」


と言うと潤は、



「えー?
そうなの?
しょおくんにしては珍しいね、大丈夫?
暑い中部活したから疲れてるんじゃないの?」


と目をクルリとさせて、上目遣いで俺を心配そうに見つめてきた。



なに、その顔っ!!


可愛いんですけどっ!?



と思いながら、潤の頭をポンポンと撫でてやりながら潤の隣へと座った。










すると潤はフイッと顔を背けると、再び掃き出し窓の外から見える空を見つめて、



「しょおくん。
空の雲…今度は上の方がオレンジ色になってきたよ。



綺麗だね。」




と空を見つめながらそう言うと、クルリと振り向くと真剣な顔をして…。





「しょおくんってさ…。」

と言ってきたので、


「ん…?」

と返事をすると、


「……。」


潤はそのまま黙ってしまったんだ。



なんだ?



と思い、


「どうした?」



と聞くと潤は頬を赤らめながら、



「えっと…。


…好きなタイプってどんな人…?」


と突然聞いてきたので、

 


「えっ!?」


と驚いた声を上げてしまった。





  
何でそんな事を聞いてきたんだろうか?

 
何の為に…?




もしかして…。

この後、智くんの好みのタイプを聞かれるというオチなのか…?



などとグルグルと頭の中で考えていると、

 

「あ…いや…。
しょおくん、格好良いのに恋人がいないみたいだし…。
理想が高いのかな?と思って…聞いててみたんだ…。」


と潤があたふたとしながらそう言った。






その姿があまりにも可愛くて思わず潤を揶揄いたくなってしまい、


「俺に恋人がいないと思う?」


と言うと、



「えっ!?
いるのっ!?」


と潤は目をまん丸にしながら俺の顔をジッと見つめてきたのだ。





「い…。」

と言うと、


「い…?」


と潤はオウム返しをした。

 


真剣な顔をしながら大きくて綺麗な瞳でジッと俺を見つめてくる潤に、





「ふはっ。
いないよ。」


と笑いながらそう言うと、



「い…いないんだ…。」


と潤は両手を胸に当てて小さな声でそう呟いた。





 


そういう潤はどうなんだろう?

やっぱり気になるよな…?    








「潤は…どうなの?
恋人いるの?」

と思い切って聞いてみた。


  

聞いてみたのはいいが、


『智と付き合っているよ。』

と帰ってきたら怖えーな…。



と思っていると、



「俺はいないよ。」

と潤は即答をしたのだった。





ホッとしながら、


「潤は?
潤はどんな人が好きなタイプなの?」


と聞いてみた。




「えっ。
あ…あの…。
お、俺は…。」


と言うと潤は俺から目を逸らすと、俯きながら、



「…二重で目がパッチリしていて…可愛らしい顔立ちで…。
勉強も出来て…スポーツも出来て…えっとそれから…。」


とポツリとポツリと言い始めたのだった。


でも…それってかなりパーフェクトな人じゃないとダメなんじゃね…?


と思い、


「潤…。
潤の方が理想が高いんじゃあ…。
潤ならモテると思うし…。」

と言うと、



「だから俺は顔が怖いからモテないってば…。」


と顔をフルフルと横に振り潤はそう言った。




いや…。

それは顔が怖いのではなくて綺麗過ぎるんだよな…。

潤が高嶺の花だから、皆んな告白する勇気がないだけだし…。





「はぁー…。
何でこんな怖い顔に生まれちゃったんだろう…。」


と落ち込む潤に、



「潤…。
潤の顔は怖くないよ。
綺麗だよ。」


と言うと潤は、



「そ、それはないよ。

それよりもしょおくんの好きなタイプは?」


と顔を赤くして照れながら聞いてきた。






潤は褒めると照れるんだよな。


それがまた潤の可愛いところなんだよな。



と思いつつ潤の質問に…。




「俺…?
俺は…。」


潤…お前だよ…。


お前の事が好きだよ…。










  


と言う勇気がなくて言える訳もなく…。







「色白で超絶綺麗な子で…皆が憧れている人…かな…。」


と言うと潤は呆れた顔をして、



「しょおくんの方が理想高いじゃん…。」



と呟いたのだった。



「えっ?
そ、そうなのかな…?」





潤…君の事なんだけどな…。


と心の中で呟いていると、パタパタッと足音が近付いてきて、



「翔くん、潤、待たせたな。」



と智くんがふんわりと笑いながら美術準備室へと入ってきたのだった。















⭐⭐ to becontinued⭐⭐








皆様、こんばんは。

いつもお話を読んでくださってありがとうございます照れ

相変わらずペースが遅くてスミマセン…。

あともう少しお付き合いいただけると嬉しいですキラキラ



そして、今更なのですが…。

〝嵐ジオ〟特別編の限定復活嬉しいですねラブ
ペアが翔くん&潤くんだなんて!!
どんな質問&お悩みにあの2人が答えてくれるのか今から楽しみですラブラブ
もう、一部のマニアの皆さんがザワつく事を前提に翔潤にしたのではっ!?
と勝手に思ったりしています。
(黒幕は翔くんとにのちゃんなのでは…!?)


あとTwitterは…潤くんの〝上海国際映画祭〟ワールドプレミアの時のコメントです。
本当はコメントがあってすぐにお話を上げる予定で用意をしていたので、そのまま使っちゃいますニヤリ









嵐さんTwitter