リビングへと到着すると潤くんが、



「夏芽さんっ!!
お待たせーっ!!
今日のスイーツは何ーっ?」


と言いながらリビングの扉をガチャッと開けて俺の手を引きながら中へと入った。






テーブルの上に並べられている皿に乗ったモンブランを見て、



「夏芽さんっ!!
俺、モンブラン大好きっ!!」


と潤が言うと伯母さんは、



「そう。
それはよかったわ。
コーヒーを入れてくるわね。」



とソファーから立ち上がった。




俺達の後から部屋に入ってきた翔ちゃんを見て伯母さんが、


「翔っ!?
どうしたの…?」

と驚いて翔ちゃんにそう聞いた。





「あ…。
まあ…。
気まぐれで…?」


と翔ちゃんは目を泳がせながらそう答えると、



「気まぐれねー。
翔の分を用意していなかったから、ちょっと待っててね。」




と言うとキッチンへと消えた。









潤くんは伯母さんが座っていた向かい側のソファーに座り、潤くんに手を繋がれている俺は必然的に潤くんの隣の席になる訳で…。




翔ちゃんは伯母さんの座っていた席の隣へと座って伯母さんを待っていた。














暫くすると、




「お待たせーっ!!」



と言いながら伯母さんはトレイに4人分のコーヒーと翔ちゃんのモンブランを乗せて戻ってきた。







「はい。
どうぞー。」


と言いながら伯母さんは俺達の前にコトンとコーヒーのカップを置いていった。






「夏芽さん、ありがとう。」


「伯母さん、ありがとう。」



と言うと伯母さんはニッコリと微笑んで、



「いいえー。
好みでお砂糖とミルク入れてね。」



と言った。






「はい。
翔、どうぞー。」


と言い翔ちゃんの前にはコーヒーとモンブランが乗ったお皿を置いた。



「母さん、ありがとう。」


と翔ちゃんがそう言うと伯母さんは、


「翔が潤くんと一緒に居るなんて珍しいわねー。」


と言うと、


「あっ!!」

と声を上げた。







「なに?
母さん?」


と翔ちゃんが不思議そうな顔をして伯母さんに聞くと、



「翔。
貴方、潤くんにちゃんと謝ったの?」


と伯母さんは翔ちゃんを見つめてそう言った。




そうだった…。

翔ちゃんは潤くんを噛んだ事を謝る予定だったのに、潤くんが来るたびに犬のショコラの姿になっていたので潤くんに謝る事が出来ていなかったんだよね…。


と思っていると…。






それを聞いた潤くんが、


「夏芽さん、大丈夫だよっ!!
翔くんにさっきちゃんと謝って貰ってるし、それに傷はちゃんと治っているから。」



ほら、と言いながら潤くんが左側の首を伯母さんに見せようとしたので、




「あーーーーっ!!
それより俺、早くモンブラン食べたいなーっ!!」


と言いそれを阻止したのだ。








いや…。

だって…。


伯母さんに見せてはダメでしょう…?



確かに潤くんの左側の首の傷は治っているけれど…。


傷の代わりに翔ちゃんの付けたてホヤホヤのキスマークがあるんだから…。







伯母さんは一瞬驚いた顔をしていたけど、


「食の細い和ちゃんが『早く食べたい』って言うなんて珍しいわね。」



とクスクスと笑いながらそう言うと、



「では、食べましょうか?」



と俺達に言ったので俺はコクンと頷くと、翔ちゃんも潤くんも



「「「いただきますっ!!」」」



と手を合わせると、皆んなでモンブランを食べ始めたのだった。
























⭐to becontinued⭐