その日はその後皆んなでお昼ご飯を食べ、潤くんは伯母さんの用意してくれていた穴子料理に大喜びをしていて、
「夏芽さん、穴子美味しいですっ!!」
と目をキラキラさせながら言うもんだから、
「潤くんに喜んで貰えて良かったわ。」
と伯母さんもニコニコで、潤くんのショコラ飼いたい事件があったけれど、和やかな雰囲気で食事も終わると、例の如く朔くんと華樹ちゃんが、
「相葉さん、ゲームやろうよっ!!」
「まーくん、行こうよっ!!」
と相葉さんをゲームに誘い、
「えっ!?えっ!?
朔くん、華樹ちゃん、待ってっ!!ちょっと待ってっ!!」
と言う相葉さんを朔くんと華樹ちゃんは両側から、
「こっち、こっちーっ!!」
「まーくん、早くーっ!!」
と相葉さんの手を引き、ゲーム部屋へと連れ出してくれた。
その隙に、さとちゃんに潤くんの診察をして貰う事にした。
俺は潤くんの傷が気になったので、さとちゃんと潤くんについて診察をする為の部屋へと向かったのだ。
ガチャッとドアノブを回して中に入り、
「潤くん、椅子に座って。」
と、さとちゃんが言うと、潤くんは、
「うん。
さとちゃん先生、分かった。」
と言い椅子に近付くと、潤くんはピタッと立ち止まりそのまま突っ立っていたので、
「潤くん、どうしたの?」
と聞くと、潤くんはギギギギギッと音がしそうなくらいぎこちない動きで、さとちゃんと俺の方に向くとペコッと頭を下げ、
「大ちゃん先生、かず…。
さっきはショコラの事で無理な事を言って、ゴメンナサイ…。」
と謝ってきた。
さとちゃんが頭を下げている潤くんに近付き、
「潤くん、頭を上げてくれよ。」
と言うと、ゆっくりと頭を上げた潤くんの頭をポンポンッとして、
「ビックリしたけど、気にしていないから大丈夫だ。」
とさとちゃんは言った。
「そんな気にしなくてもいいよ。」
と俺も潤くんにそう言うと、潤くんは
「でも…。」
と何かを言いかけたけどさとちゃんが、
「ショコラの事はもう解決済みだ。
それよりも潤くんの傷を診察をさせて貰ってもいいかな?」
と優しい声でふんわりと微笑んで潤くんにそう言うと、
「さとちゃん先生…。
はい、お願いします。」
と潤くんは言い、椅子に座ってさとちゃんに傷の具合を診て貰った。
「うん。
傷も少しずつ塞がってきてるから、順調に治ってるよ。」
とさとちゃんが言ったので、覗き込むと歯形も無くなっていたので、
「潤くん、歯形も無くなったよっ!!」
と言うと、潤くんは大きな目を見開いたあと、
「ふふふふふ。
歯形が残らなくてよかった。
でも、見てみたかったなー。」
と微笑みながらそう言った。
⭐to be continued⭐