「さてと、もう遅いから潤、そろそろ帰ろうか?」

と潤に言うと、潤が、



「ねぇ。しょおくん…。」


と言ってきた。




この言い方はもしかして…?

何となく嫌な予感がしながら、


「ん…?何?潤?」


と返事をすると、


「あのね…。

お願いがあるんだけど…。」


と潤が言ってきた。


潤のお願いは、大抵俺にとってはあまりいい事ではないんだよな…。

と思いつつ、



「お願い…?」

と潤に聞き返した。


すると潤が、


「…今日ね…、ボク、ここに泊っちゃダメかな…?」

と言った。



「えっ!?」


潤?今、何て言った…?



「今日はかずと一緒に泊まりたいんだけど…。」



ん…?かずと一緒に泊まりたい…?




潤の発言に思わず驚いて思わず声がでてしまい、


「「はぁっ!?」」


と、和也と同時に叫んでいた。





和也も俺と同様驚いて、



「えっ!?J、何でっ!?」
 
と聞いていた。



「だってね、もうかずに会えないかもしれないし…。

だから、しょおくん、お願いっ!!」




潤が両手を合わせてお願いしてきた。



いやいやいやいや潤、おかしいだろうっ!?

今日は俺と一緒に館に帰って……だろ?

俺が潤が戻って来るのを、どれ程待っていたと思ってるんだっ!?


と、心の中で叫ぶけれど、潤にそんな可愛い顔で〝お願い〟されてしまったら…。





断れる訳もなく…。



「あ、ああ…、じゅ、潤、いいよ。」

引きつる顔を何とか笑顔にし、やっとの思いでそう答えた…。



誰かの視線を感じたので、ふと視線の方向に目をやると、笑いを堪えた和也がいた。


いやいやいや、和也のお前のせいだからなっ!!

とムッとしながら和也に目で訴えていると、相葉くんが、



「じゃあさ、今日はにのちゃんとJちゃんは水入らずって事で、俺は別の部屋で寝ようかな…?」


なんて言い出した。




ちょっと、相葉くんっ!?

何言ってるのっ!?




と思っていると和也が慌てて、



「ちょっと、相葉さんっ!!

そんな何部屋も借りてしまったら迷惑だよっ!!」

と言ってくれたのだが、今度は花浅葱が、




「ここの家はは広いので、部屋数は沢山あるので大丈夫ですよ。」


とにこやかに言い始めて…。




「じゃあ、それで決まりーっ!!」


と、相葉くんが喜びながら潤に、



「Jちゃんよかったねーっ!!

にのちゃんとの最後の夜、楽しんでねっ!!」



なんて言うもんだから潤も、



「うん、よかったー。まー、ありがとう。」

と嬉しそうに言ってるし…。




はあ…。
また今夜も一人で寝なければいけないのか…、とガッカリしていると、



「しょおくん、〝お願い〟聞いてくれて、ありがとうっ!!」

と言いながら潤が抱きついてきた。



「あ、ああ、いいんだよ、潤。」


と言いながら俺も思いっきり潤を抱きしめて、潤の温もりを感じると荒れた心が少し落ち着いてきた。












「じゃあ、俺は帰るとするよ。」


と言いながら立ち上がると、皆んなが玄関まで見送りに来てくれた。




「じゃあ、潤、明日の朝、迎えに来るから。」




「うん。しょおくん、わかった。」


潤の頭を撫でてやりながら、潤おやすみ、と言い潤の顔を俺の方に引き寄せて、潤の唇に口づけをした。


今晩もお預けなので、その分しっかりと潤を味わっていると、




「ちょっ!!」


「うわぁーっ!!」

と言う和也と相葉くんの声が聞こえたが、もう聞こえないフリをして無視させて貰った。



名残惜しいけれど潤からそっと唇を離すと、潤は頬を赤らめてトロンとした表情をしており、そんな潤に満足しておおみ屋工房を後にした。



⭐to be continued⭐