「だよね?」


「うん。多分そうだと思うよ。」



「ねぇねぇ、Jちゃん。答えは〝大宮工房へ行け〟で合ってるー?」


「だからJは知らないんだってばっ!!」



と、Jを見るといつの間にか床に丸まって、スゥースゥーと寝息を立てながら寝ていた。


時計を見ると2時を過ぎていた。



「とりあえず謎は解けたと思うから、相葉さん俺たちも寝よっか?」


「そうだねー。Jちゃんはどうする?」


「あー。流石にJは運べないから、このままここに寝かせておこうか。ラグ敷いているから痛くないと思うし。」



相葉さんにテーブルを移動させてもらっている間に、Jに掛けてやる布団を用意していると、

「くふふふふっ。こうやって見るとJちゃんって、子供みたいだよね。」


相葉さんがJのほっぺたをつついていた。


「こらっ!!Jが起きちゃうから触らないっ!!」


 相葉さんをJから離して、そっとJに布団をかけてあげた。


確かに寝顔は子供だな…。

目をつぶっているJの顔は幼く見える。



「相葉さんベット使ってよ。俺、ここでJと一緒に寝るから。」

「ダメだよっ!!にのちゃんがベット使ってよ。」

「えーっ!!相葉さん大きいから、ベットに寝てくれた方が邪魔にならないんだけど。」


「わかった。じゃあ、ジャンケンしようっ!!」

「「最初はグーッ!!ジャンケンポンッ!!」」








「にのちゃーん。やっぱり…。」


「ジャンケンしよう、と言ったのは相葉さんでしょ?ほら、サッサと寝るっ!!」



結局ジャンケンで勝ったのは相葉さん。

俺はJの眠っている布団に潜り込んで、

「相葉さん、おやすみー。」

「にのちゃん、おやすみなさい。」


眠りについた。
 








翌朝、眼が覚めるとキッキンからいい匂いがしてきた。

ベットで寝ていた相葉さんの姿が見えないので、相葉さんが何か作ってくれているのかな…?


隣で眠っているJを見ると、まだスゥースゥーと寝息を立てて眠っていたので、J を起こさないようにそっと布団から出て起き上がり、ベランダ側の窓のカーテンを開ける。


ザーッ…ザーッ…

今日も雨か…。
天気予報、外れてるじゃん…。





キッチンの扉を開けて、

「相葉さん、おはよう。」


「あ、にのちゃん起きたの?おはよう。」

「そして、にのちゃんお誕生日おめでとうー!!」


「ありがとう。でも、もう言ってもらってるよ?」


「おめでたいんだから、何度言ってもいいんだよー!!」


「はいはい。それよりいい匂いだねー。」


相葉さんが、オムレツを焼きながら嬉しそうに、

「くふふふー。簡単な物だけど、泊まらせてもらったお礼に朝ごはん作ったんだよ。」

と、言う。


「へぇー。美味しそうー。」


「にのちゃん、そろそろJちゃん起こしてきてっ!!」


「はーい。」



なかなか起きないJを無理やり起こして、


「「いただきますっ!!!」」


3人で手を合わせて、相葉さんの作ってくれた朝食を食べる。


1人だと朝食なんて食べないから、たまにはこうやって食べるのもいいな。


Jも横で、

「まー。ん…ま…っ!!」

と、喜んで食べている。




「とりあえず、にのちゃんが学校に行っている間は、Jちゃんをウチの親に預けようと思っているんだけど、どうかなー?」

と、相葉さんが提案する。


「そうだよねー。J1人でこの部屋で留守番するよりよいかもしれないね。」

Jは不安そうな顔をして、俺を見る。

「J、大丈夫だよ。相葉さんのご両親は良い人だよ。」


「Jちゃん、俺が言うのはなんだけど、俺以外には優しいよっ!!」


「じゃあ、安心だねJ。相葉さんには優しくないなんて、なんて出来た人達なんだ。」


「ちょっとっ!!にのちゃんっ!!」

「んふふ。」

「あ、Jちゃんウチ中華料理屋だから、美味しいご飯食べれるよっ!!」

の、相葉さんの一言にJの目が輝く。


「まー…。おい…し…い…?」


「うん。そう!!美味しい食べれるよっ!!」


Jが嬉しそうにコクコクッと頷く。


あ、美味しい食べ物に釣られるのね…。

どうやらJも相葉さんに胃袋をつかまれたようだ…。




⭐to be continued⭐