母方の大宮のじいちゃんは、俺が10歳の冬に亡くなった。
いつも優しくて面白くて俺を可愛がってくれて、大好きなじいちゃんだった。
俺はいつも田舎に帰るのが楽しみだった。
じいちゃんは時計職人で、田舎にある山の麓に、“おおみ屋”という工房を作って、ばあちゃんと2人で時計やアクセサリーを作っていた営んでいた。
ばあちゃんが亡くなってからは、じいちゃん1人で。
じいちゃんの子供は母ちゃんたち三姉妹だったから、誰もじいちゃんの跡を継ぐ人がいなかったんだよな…。
あれ…?
でもじいちゃんが亡くなる前に、お弟子さんがいたような…?
それがJ…?
でも年齢が…。
いや…、こんな雰囲気の人ではなかったような…。
でもじいちゃんが亡くなる前に、お弟子さんがいたような…?
それがJ…?
でも年齢が…。
いや…、こんな雰囲気の人ではなかったような…。
もっと色黒で…。
お茶を飲みながら考えていると、相葉さんが俺の耳元でそっと、
「ねぇ、Jちゃん、にのちゃんのおじいちゃんの知り合いなのっ!?ま、まさか…、Jちゃんは、にのちゃんのおじいちゃんの…、隠し子っ!!?」
ブーーーーッ!!!
口から盛大にお茶を吹き出した。
「ちょっとー。にのちゃん汚いよっ!!大丈夫ー!?」
相葉さんが首から下げていたタオルで口元を吹いてくれる。
あー、相葉さんに拭いてもらえて嬉しいな…。
って、違うっ!!!
「Jがじいちゃんの隠し子ぉぉーっ!???」
小声で相葉さんに言う。
俺の吹き出したお茶で汚れたテーブルを、タオルで拭いてくれているJを2人で見る。
Jは俺たちの視線に気付き、キョトンとしている。
相葉さんがずいっとJの方に身を乗り出し、
「Jちゃんは、にのちゃんのおじいちゃんの子供なのっ!?」
いや…、相葉さん質問ストレートすぎますから…。
いや…、相葉さん質問ストレートすぎますから…。
Jが右手の人差し指で自分を指差した後、ブンブンと手を左右に振り首を横に振る。
Jは驚き過ぎて、大きな目がさらに大きくなってるよ。
⭐to be continued⭐