意識が遠のく中、ボクの大好きな低く甘い声で、

「愛してるよ。。。」

「必ず。。。には迎えに行くから。」

と聞こえた。


そっとボクの唇に、柔らかくて温かい何かが触れた。

いつも感じている温もり…。



ギュッとその誰かに抱きつく。



バサバサッ。
と、鳥の翼の羽ばたく音がする。

風を感じる。




少しずつ深い…、深い眠りにつく…。


忘れたくない…。

大好きなあの人を…。

忘れたくない…。




だけど、記憶がボクの中からこぼれ落ちていく…。




ボクは誰…?


何処から来たんだろう…?





覚えているのは、あの遠い夏の日に出会った色白の可愛い男の子の事。

名前は…。

あの子の名前は…。



〝和也〟…?


〝かず〟…。


今はなき古き友人との約束を果たすために、〝かず〟に会わなければいけない…。


ボクが覚えているのはその〝約束〟の記憶だけ…。





⭐to be continued⭐