店内に入ると、花の形をしたランプが天井からぶら下がり、店内をほんのり照らしていた。


使い込まれて木のぬくもりを感じられるチェストやテーブルの上には、陶器の食器や人形、懐中時計、絵画などが飾られており、外観だけではなく店内も異国の雰囲気で、ほんのり照らされた照明の薄暗さもあり、それがまた居心地のよい空間だった。







店主が先ほどの五つ葉のクローバーのネックレスを持ってきて、俺に差し出した。

それを受け取り、手に取って眺めていると、


「このネックレスは年代物なんですよ。」
と、話し始めた。

五つ葉のクローバー、
それは100万分の1の確率でしか見つからないと言われる、幸せの奇跡。

クローバーの葉には一つ一つ意味があり、五つ葉のクローバーの場合は、
「愛」「希望」「健康」「知恵」「財運」

五つ葉のクローバーには、金運に恵まれるという花言葉があるんですよ。

一方で病気になる言い伝えもありますが、プレゼントすることで相手も自分も幸せになるという言い伝えもあるので、恋人への贈り物にいかがですか?

と、にこやかに勧められた。



プレゼンすることで相手も自分も幸せになる…か…。

潤の入所日記念日だし、いいかもしれないな。

それに潤に似合いそうだし…。

よしっ。


「このネックレス、プレゼン用でお願いします!!」

「かしこまりました。すぐに用意しますね。」

店主は店の奥に入って行き、しばらくして小さな紙袋を持って出てきた。

会計を済ませて店をあとにした。





来る時に通った公園の中を歩きながらそっと紙袋の中を覗くと、赤いリボンをかけられた小さな薄紫色の箱がちょこんと入っていた。


紫と赤…。
潤と俺のイメージカラーでラッピングされているなんて、潤の入所記念日にピッタリだな。


潤の喜ぶ顔を思い浮かべながら、ホテルへと向かった。




⭐to be continued⭐