映画三昧 #2428 ⭐️★ リディバイダー(17) | juntana325 趣味三昧

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電力は、逼迫した状態にあるのは、皆感じていることだ。先進国に節電という意識はあっても、発展途上国では、これから電力需要が伸びる時代が訪れるから、節電は、国の発展を妨げることになるだろう。この作品は、そういう意味では、的を得た近未来社会を描いている。




ところが、その解決方法が、突拍子も無い。異次元に地球の複製を作って、そこからエネルギーを転送するという。理論的には、ちんぷんかんぷんで、違和感もあるが、その前提で、観ていく。すると、エコーと呼ばれるペーストされた地球は、理論的には、有機物はコピーされないという発表だったが、人間もコピーされていた。それに、エネルギーは、エコーから一方通行で、地球に送られるはずだが、地球から送られてきた飛行機や電車が、空から降ってくる。




この手の作品で、理論上の齟齬が原因で、パニックになる話はいくらでもあるが、その解決方法は、乱暴。コピー元かコピー先のどちらかの地球を消すという方法だ。PCのトラブルシューティングのようでもあるが、その任務遂行を任されたウィルは、たまったものじゃない。




理由もわからないまま、任務にあたるが、その重要性を知らされてかなり動揺する。ところが、一人称映像なので、彼の苦悩は、全く伝わってこない。これは大きな減点だ。それに、現実と複製された人々は、ことの重要性を誰も知らないから、お互いの対立関係も生まないまま、淡々と最期の時を迎える。ストーリーは、もっぱら、電力会社が、勝手に「分離」を進める。




ラストは、魂になった?ウィルの視線で妹と甥を見つめる。その視線の先には、ウィルが分離したタワーの光線が消えていく。彼らを救ったウィル自身は満足したのだろうか。個人的には演出に満足できなかった。



解説

「美女と野獣」やテレビシリーズ「レギオン」で注目されるダン・スティーブンスが主演し、主人公の一人称視点を取り入れて描いたSFアクション。現実の地球と、地球をコピーして作り上げた複製世界が舞台となり、現実の地球では通常の客観映像、複製世界では主人公の一人称映像が用いられている。エネルギーの枯渇が大きな問題となっている近未来。人類はコピーしたもうひとつの地球「エコーワールド」からエネルギーを得ることで、問題を解決しようとしていた。しかし、2つの世界をつなぐタワーの暴走により各地で異常事態が発生。地球は崩壊の危機に陥ってしまう。人類は元NASAのパイロット、ウィルをエコーワールドへと送り込むが、そこには荒廃した世界が広がっていた。