映画三昧 #1911 ⭐︎⭐︎* ポルト(16) | juntana325 趣味三昧

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ジム・ジャームッシュが製作総指揮を務め、ポルトガル第2の都市ポルトを舞台に、異国の地で再会した孤独な男女を描いたラブストーリー。ポルトガル北部に位置する港湾都市ポルト。26歳のジェイクは家族に勘当されたアメリカ人。32歳のマティは恋人ともにこの地へやってきたフランス人留学生。それぞれの事情でこの街にやってきた2人には、かつて束の間の肉体関係を結んだ過去があった。ある日、考古学調査の現場で互いの存在に気づいた2人はカフェで再会し、軽い気持ちで一夜の関係を結ぶ。その一夜が2人の人生を大きく変えていく。ジェイク役に2016年に自動車事故で亡くなったアントン・イェルチン。マティ役に本作が初主演作となるルシー・ルーカス。監督は第70回ベネチア国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、本作で長編劇映画デビューを果たしたゲイブ・クリンガー。


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ジム・ジャームッシュ感満載。行ったことはないポルトという港町の雰囲気も良いいし、孤独な二人を描くには、こんな街がハマる。ストーリーは、ジャームッシュ流。一夜の情事を角度を変えて、スクリーンに投影する。


愛を語るが、たった一晩では、何の確証もない。寂しい二人の、空いた穴の埋め合わせのような情事に、説得力はなく、口寂しさが残る。その一晩をジェイク、マティ、ジェイクとマティの三章に分けて、角度を変えて映し出す。そこに見え隠れするのは、愛の深さではなく、二人の深い孤独だ。とくに、絶望感すら感じるジェイクの姿は、「愛」にすがりたくなる気持ちが伝わってくる。


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案の定、翌日になると二人の事情は違う。マティには、自分の生活があり、ジェイクには特にない。夢から覚めたマティと、夢に彷徨うジェイク。あの晩の出来事は、愛なんてものは存在していなくて、単なるアクシデントだったのか。一晩の出会いで、人間関係が深く交錯するドラマは、不思議な感覚だ。


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