映画三昧 #1817 ⭐️⭐️* 未来を花束にして(15) | juntana325 趣味三昧

juntana325 趣味三昧

自分の興味のあることを、自分本位に勝手に解釈するブログです。

{8498FFD1-F9FD-441C-801E-E9C38785E318}
実話をもとに、1910年代のイギリスで参政権を求めた女性たちの姿をキャリー・マリガン主演で描いたヒューマンドラマ。1912年、イギリス・ロンドン。洗濯工場で働く24歳のモードは、同僚の夫と幼い息子の3人で暮らしていた。ある日、女性参政権運動活動家である友人に代わって公聴会で証言し、「今とは異なる生き方があるのでは?」という疑問を持つようになる。それがきっかけとなり、モードはWSPU(女性社会政治同盟)のリーダーであるエメリン・パンクハーストの演説を聞き、デモにも参加するようになる。しかし、女性の政治活動を不満に思う男性も多く、夫からは家を追い出され、息子と会うことも禁じられ、さらに工場長からもクビを宣告されてしまう。マリガンが主人公モードを演じ、実在の人物エメリン・パンクハースト役のメリル・ストリープのほか、ベン・ウィショー、ヘレナ・ボナム=カーターが出演


{5BF27380-3716-4791-BB53-AB12BC351BFE}


日曜日の朝イチのギンレイホールは、昔から好きだ。人気まばらな飯田橋の街に、映画を観にくる人で席が埋まっていくのは、気持ちが良いものだ。そうすると、映画の出来がどうあれ、ランクアップしてしまう。


女性の権利に先進的だと思っていたイギリスでも、一世紀前までは、この作品のように、女性は理不尽な扱いを受けていた。差別というのは、する方とされる方では、大概、する方の立場が圧倒的に強く、される方は虐げられる事になる。しかも、法律を作る方と守る方では、その差別を解消することは、強硬な態度を取らざるを得ない。


主人公モードの人生も、鎖で繋がれていないが、まるで投獄されているような生活だ。何百年に渡る男性の女性蔑視は、男性の目から見ても、深い憤りを感じる。生まれた時点で、女性というだけで人生が決まってしまう世の中は、あってはならないと思う。最後のタイトルバックに婦人参政権実施国が年代順に並べられる。日本は敗戦が契機だから、降ってきたような権利だった。最後に出てきた国は、2015年のサウジアラビアだった。まだ、男女平等の運動は続く。人類の半分は、女性だ。


{282D0F75-3552-4431-84F3-BB56A5434077}


物語を観ていて、徐々に、急進的な運動と穏健的な運度に分かれてくる。それは、活動しても、すんなりとは事が進まないからだ。この急進的な動きは、今なら、「テロ」と呼ばれるだろう。では今のテロと何が違うのか?きっと方法論の違いはあれ、差はあまりないだろう。恐らく、今のテロも、理不尽な事に耐えかねて、事件を起こしているはずだ。そうなれば、その理不尽な問題を解決しない限り、その戦いは永遠に続く。


劇中でモードが、確信を持って吐くセリフ。「必ず勝つ。人類の半分は女性だから」それに対してスティード警部は反論する言葉もない。良心、正論は、武力でなくても、勝てるのではないかと、ふと感じた。


{E0C17EEB-8737-4555-B4C3-B3829AAA6E8B}