映画三昧 #1722 ⭐️⭐️* 生きるべきか死ぬべきか(42) | juntana325 趣味三昧

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ナチス占領下のワルシャワから脱出する俳優一座の姿を描くコメディ映画。製作はアレクサンダー・コルダ、監督はエルンスト・ルビッチ、脚本はエドウィン・ジャスタス・メイヤー、撮影はルドルフ・マテ、音楽はウェルナー・ハイマンが担当。出演はキャロル・ロンバート、ジャック・ベニーほか。舞台はナチス占領下のワルシャワ。マリアとヨーゼフの役者夫婦は「ハムレット」に出演中。妻が夫の出番中に逢引きを楽しんでいると…。巨匠ルビッチがナチス体制を徹底的に皮肉った傑作中の傑作。映画完成の一週間後、キャロル・ロンバードが飛行機事故で非業の死を遂げたという曰く付きの作品でもある。


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1945年以前に、ヒットラーねたで笑える作品というのは、そんなにない。「チャップリンの独裁者」のような作品は、例外中の例外だ。ナチズムが戦争に勝つなど、微塵も考えていなかったのだろう。しかし、この作品も、気持ちのいいほど、第三帝国をこき下ろす。しかも、ただ可笑しいだけでなく、ストーリーも、それなりにしっかりしている。


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ワルシャワが舞台だが、ほとんど現在に至るまで、どんな街か知らない。ただ、戦争と同時に、すぐナチの軍門に下ったことだけは知っている。話は、テンポよく進んで、エンタテイメントとして大いに楽しめる。困った時には、すかさず「ハイル ヒットラー」と合いの手が入れると、その度に笑いがこみ上げる。「ハイル ヒットラー」のタイミングが絶妙だ。しかし、タイトルのハムレットのセリフ「to be or not to be」が、重要でもない言葉なのに、話を作っていくあたりは、馬鹿馬鹿しく、他愛ない。


戦後、ナチの非道な行為が明らかにされた後なら、こんな内容の作品は、逆に作りにくかったかもしれない。こんなに、お人好しで、紳士的なゲシュタポや親衛隊が、描かれることはないだろう。ただ、ナチの馬鹿っぷりを、この時代に笑い飛ばしたというのは、やはり凄い。


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