映画三昧 313 ⭐⭐⭐ ニュー・シネマ・パラダイス(89) | juntana325 趣味三昧

juntana325 趣味三昧

自分の興味のあることを、自分本位に勝手に解釈するブログです。

{9F0C44EB-2743-462A-9583-1949A2B6CE05:01}

エンニオ・モリコーネの音楽と相まって、素晴らしいノスタルジックな作品。トトとアルフレードの友情を通して、1950年代の映画が「娯楽の王様」だった時代を再現する。

クライマックスでアルフレードの葬儀の行列には、その時代を過ごした人々が、懐かしい顔を見せる。しかし、街並みも変わり、ニュー・シネマ・パラダイスも廃墟と化した故郷に、映画館で観た顔ぶれは、すでに過去の人になっていた。その望郷の想いを、ジュゼッペ・トルナトーレは、このシーンに凝縮した。

人生を映画から学んだアルフレード、またその教えを守って映画人になったトト。その脈々と受け継がれる映画人の魂は、映画を愛する人々に、感銘を与える。トトの少年時代を演じたサルヴァトーレ・カシオのスクリーンを見つめる笑顔には、娯楽としての映画の圧倒的なパワーが映る。映画ファンなら、その笑顔を見るだけで、ワクワクしてくるはずだ。

映画は、たくさんの人と映画館で同じ作品を観て、その時間の共有と観客同志の心の通い合いが、大きな魅力であることを思い出させる。そういう映画の醍醐味や臨場感を味わえるのは、映画館だけだ。今日の劇場は余地なく満員。観客はこのニュー・シネマ・パラダイスを楽しんだようだ、劇場内の感動が、こちらに伝わってくる。映画館で観るべき映画、というカテゴリーがあったとしたら、この作品はその代表作になるだろう。