おはようございます。
たまにはやわらかいお話を。
消防めしという言葉を聞いたことがありますか。
私の前職、消防では24時間勤務の交替制職員は、内部でだいたい賄をしており、一日三食、職員が当番制で調理しております。
東京消防庁では、昼といえば まずうどんをつくります。
下の階級の職員が、当番制で 10時頃から 厨房で寸胴鍋に大量のお湯をわかし準備します。
本署だと30名位のうどんをつくるので結構大変な作業です。
特徴は まず 豚肉とシイタケ、玉ねぎを入れた肉うどんであることです。
そして、必ずめんとつゆを別の器にもる いわゆるつけめんであることです。
これは伝統的で、災害対応のため 救急対応のため、昼食がとれないこともあるので、のびないようにという配慮です。
特に救急隊はお昼時も 大忙しで 出場していきます。
そんな職場の特性が このつけめんに現れております。
私の勤務した消防署では、乾麺を箱単位で購入して、それに朝から昆布でだしをとり、業者からかき揚げを別に配達してもらっていました。
とてもおいしいうどんで、だいたい消防官は普通の人の1.5倍位は食べます。
毎日勤務の幹部も、時々食し、一食300円でした。
誤解があるといけませんが、賄は自己負担 自腹で 当時で月10当番泊勤務で なんと1万円でした。
食材を大量にスーパー等から仕入れるので 安く済み、若手職員の貴重な栄養源ともなっておりました。
すこし余裕のある出張所勤務の時は あきるので 昼はこれまたつけめんのラーメンの時もありました。
朝から鶏がらからスープをとるので これも大変おいしいものでした。
消防はいつ災害があるかわからないので、外に食事に行けません。また食中毒の心配があるので 出前もあまりとらないようにしておりました。
面白いのは、ある出張所では時々 料理名人がスパゲッティをつくり、
フォークを使わず、みんなではしで食べていたことです。
わりばしでスパゲティを食べるというのが あたりまえでした。
たぶん 後片付けの手間をはぶくということと 食器が十分にないという理由かもしれません。
体験実習にきた 看護師さんがびっくりしておりました。
この賄は最近は出前弁当をとることが多くなったと聞きますが、先輩から料理の手ほどきを受ける貴重な機会かつ、みんなで部隊が同じ釜の飯を食べるという 連帯感ができるいい機会でした。
また 24時間拘束されている中で、食事は唯一の楽しみで、料理名人の職員の作る 和食など いま思い出しても おいしかったです。
安くて おいしい 栄養満点 量が多い 消防飯はいまどうなっているでしょう。
苦しいことの多かった消防官生活で 楽しい思い出が 舌に残ります。
では