今日はふぃるこん@横浜
3回目な件


何故かきゅうりが入ったモヒートを注入して入場‼️
寝ちゃいませんように。。。


こんなもんで!

とりあえず季節感無視であげ忘れた番外編をアップします‼️










吐く息が白い。

ティンガを連れ公園通りの坂を駆け上がる。

待ち合わせはいつもの公園。
ガンペにもうすぐ逢えると思うと寒さなんて感じない。
夜の11時にマンションを出た。
新年の準備をしていたら遅くなってしまった。
直ぐにマンションに来てもらってもいいと思ったけれど、ガンペと待ち合わせがしたかった。


ジョンインはお父さんに呼び出されてソウルに帰っていた。
心配するジョンインに大丈夫だと笑って言った。

だって…お正月はガンペと過ごすから…

敢えて口にはしなかったけれども、ムギョルの顔を見たジョンインはその胸の内を悟り、笑みを浮かべ、ソウルに帰って行った。


異国の新年だって、ガンペと祝えるなら幸せな年越しになる。
手に持ったビニール袋には紙コップとガンペが好きな韓国の焼酎が入ってる。
二人で再会した公園で新年を祝って乾杯をしたかった。

諦めていた永遠の恋人に生きて再び巡り逢えた公園。
あの公園がムギョルにとって特別な場所になっていた。

走りながらちらりと時計を見る。
針は11時50分を指していた。


「はぁ…はぁ…急がなくちゃ…」


ガンペに逢ったらやりたいことがあった。
早くガンペのところに行きたい。
息が上がるのも構わずティンガと共に走る速度を早めた。

再会したベンチにガンペはいた。
寒さに吐く息は白くても、そんなことは些細なことだとでも言うようにベンチの背もたれに腕をかけゆったりと座っていた。

いつまでたってもムギョルの心を捉えて離さないガンペ。
何でこんなにもこの人を愛してるのか…
その姿を見るだけでムギョルの心は喜びに溢れる。


「…はぁ……ガンペ!」


ムギョルは息を切らせながらガンペの名を呼んだ。
ガンペがゆっくりと振り返った。
ムギョルはガンペの胸に飛び込むように抱きついた。

深夜の公園に人影は無く、さっきまで居た渋谷の街の喧騒が嘘のような静けさだった。


「ムギョル…。」


優しい眼差しで見詰められ、ムギョルは幸せに頬を染める。

ほんの刹那見詰め合った後、ムギョルはガンペの唇に自分の唇を寄せた。

淡く合わせた唇…
洩れた吐息は白く…
凍えるような寒さに身が震える…

それでもムギョルの心は熱く高鳴った。


「最後のキス…今年最後の……」


甘い吐息を洩らしながらムギョルは呟いた。



数年前のクリスマス
バリのホテルで宿泊客の女がガンペにキスをした。
油断出来ないと思った。
ガンペは自分がモテるという自覚がない。
どんな女が割り込んでくるかわからない。
事故みたいなキスだが、どうしても我慢出来ないことだった。
けれども、みっともなく嫉妬してしまった自分をガンペにはもう二度と見せたくはなかった。
だから、せめて一年の最初と最後のキスは自分がもらうとひとりで勝手に決めて、自分を納得させていた。


ティンガは二人の雰囲気を察してか、足元で大人しく寝そべっていた。
お互いの温もりが抱き合うカラダから伝わる。
何も話さなくても想いも伝わる。
辛く悲しい時間も生きてるガンペを抱き締めれば、
それは愛を深める試練だったと思えた。


公園の樹々の向こうで聞こえていた街の喧騒が一際高くなった。
花火のような音も聞こえてくる。
ムギョルは俯き腕時計を見た。
ちょうど、深夜零時を過ぎたところだった。
ムギョルはガンペの目を真っ直ぐに見詰めた。


「新年おめでとう。ガンペ…

ガンペが沢山の幸福を受けられますように…」


ガンペの首に腕を絡め耳元に口を寄せ囁くように呟いた。


「新年おめでとう…
なら、俺はもう幸福を受け取っているな…
俺の幸せはもうこの腕の中にいる…」


ムギョルから少しカラダを離したガンペはムギョルの顔を覗き込み、その頬に指を滑らせた。


「ガンペ…」


優しく見詰められ、ムギョルの頬は薔薇色に染まる。
自分の幸せはムギョルそのものだと言ってくれるガンペにムギョルの想いは溢れる。
泣きたくなるような幸福の中、ムギョルはガンペの背中に腕を回し再び抱きついた。


新年が開け、静けさを取り戻した公園で、
寒さに凍えながらも二人はお互いの温もりを分け合っていた。


「ムギョル…
そろそろマンションへ行くか?
寒いだろう?」


ガンペが問いかけてきた。
ムギョルはガンペの胸に埋めていた顔を上げた。


「…もう一つやらなきゃいけないことがあるんだ。」


「ん?そのビニール袋の中の酒を飲むのか?」


「うん。ガンペと乾杯したかったんだ。

でも、それだけじゃなくて……」


ムギョルは再びガンペの唇に自分の唇を寄せた。


「ガンペの今年最初のキスをちょうだい。」


ムギョルが呟いた。
ふっくらとした赤い唇は凍えるような寒さの中でも色を失わず、
うっすらと開いてガンペを誘う。
ガンペはムギョルの長い髪に手を梳き入れ引き寄せた。
ムギョルの甘い唇を味わうようにガンペは唇を重ねた。
どんなにカラダを重ねても止むことのないお互いへの渇望を潤すように音がするほど舌を絡めた。


「……んっ……ふっ………」


鼻から洩れる息も艶を帯びたものになり、
ガンペはそのままムギョルの首筋に唇を滑らせた。


「…あっ……ガンペ……乾杯…しょ…」


このままでは歯止めが効かなくなる。
ムギョルが喘ぐように呟いた。


「そうだな……
続きはマンションに帰ってからだな……」


ガンペがムギョルの肌から唇を離した。
ニヤリと笑うガンペにムギョルは火をつけられそうになったカラダを僅かに震わせた。
二人が帰ろうとする様子に気が付いたティンガがワンと一声吠えた。


「ティンガも寒かったか?悪かったな。」


ガンペが腕を伸ばしティンガの頭を撫でた。


「じゃあ、早く帰ろう。
あったかい部屋で乾杯しよう。」


ムギョルがガンペの腕を掴み立ち上がった。
足が痛むのか僅かに顔を歪めたが、ガンペも立ち上がった。


「ムギョル…肩を貸してくれるか?
実は寒くて仕方なかったんだ」


ガンペが笑いながら言った。
本当はムギョルに触れていたいという言い訳だとわかる。
ムギョルは嬉しげに頷いた。


カラダを寄せ和えば、寒さすらも優しく二人を包む。


今年、最初のデートを終えた二人は、
温かい部屋でお互いの存在に感謝しながら新年を祝うため、
ゆっくりと歩き出した。









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