なんだかなぁー
何が悪いのかわからなーい(゙ `-´)/


うなぎのオモチャとKissキスマークする我が愛犬(悪犬)

こんなもんでどーかなー











窓の外に広がるソウルの夜景もパーティと同じように華やかなものから落ち着いたものに変わっていた。

深夜零時を回りパーティの客も疎らだ。
窓際に立ち、窓の外をぼんやりと見ながら煙草を一本吸った。
ついさっき味わった濡れた唇の感触が煙草を咥える唇に蘇った。

確信犯だな…

カードキーを落とす時、向けられた妖艶な微笑みは獲物が罠に掛かったと確信した微笑みだ。 
青い熱帯魚の化身が仕掛けた罠に嵌まろうとしている自分に呆れる。

友の恋人とわかっていながらあの男が待つ部屋へ行こうとしている。

悪いな… 

心の中で友に詫びた。
奔放な恋人を残して帰った友の顔が頭の隅を過っていった。


落としたカードを拾うようにと頼んでいたボーイがカードキーを持って来た。
ボーイに礼を言い、カードキーを手に俺はBarを後にした。
一旦、地下の駐車場に降り、そこからエレベーターで上がってきたので、誰に見咎められずにここまで来た。
エレベーターを降り、酔いを冷ますつもりで、ホテルの長い廊下をブラブラと歩く。
そこは深夜の雰囲気そのままに静まり返っていた。
スイートにでも泊まっているのかと思ったが、あの男が落としていったカードキーに書かれたルームナンバーは中層階のツインルームだった。

部屋の前に立ちカードキーを差し込むと、小さな機械音が妙にホテルの廊下に響いた気がした。
ドアノブを押すようにして部屋に入る。
秘密の恋人に会いに来たような高揚感を感じ、ふっと笑みが溢れた。
バスルームから水音が聞こえて来た。
視線を移すとベッドの上には濃紺のスーツが脱ぎ捨ててあった。シャワーを浴びているあの男の姿が頭に浮かんだ。
ドレッサーの横に椅子が設えてあるのに目が留まった。酔いとあまり得意ではないパーティでの気疲れとが手伝って、俺はカラダを投げ出すように椅子にドサリと座った。

今夜の獲物の訪れに気付いたのかシャワーの水音が止んだ。
バスローブを羽織り出て来た奴が部屋の中に俺が居るのを認め、花が咲いたような艶やかな笑みを浮かべた。

「来てくれたんですね。」

タオルで濡れた髪を拭きながら近寄ってくる。

「来ると思ってたんだろ?」

ニヤリと笑った。バスローブの合わせ目から見える白い肌が上気してほんのりと赤く色づいている。
歩いてくる時に内股をちらりと覗かせる。
今、自分がどんなに扇 情的な姿でいるのか完璧に理解している顏だった。
椅子の前まで来た奴が言った。

「……俺を…抱 きたいですか?」

ルームライトの光を受けた瞳が煌めいて見えた。俺を誘うようにゆっくりと瞬きをする。
視線を捉えながら俺の脚に跨ってきた。バスローブの合わせ目が開き太股が露わになる。
フッと小さな笑い声を漏らしてしまった。駆け引きに長けた年下の後輩に囁いてやる。

「俺に抱か れたいんだろ?」

仕掛けてくる誘 惑をあっさりと躱してやった。
動じない俺の態度に焦れたのかカラダを揺らす。俺の首に腕を絡ませ耳元で囁いてきた。

「そう…抱 いて欲しかった…とても…」

耳元で切なげに囁く声は甘く艶を帯びていて思わず腰が疼いた。カラダを起こし再び俺の目を見つめてくる。
静かに自分を見つめる濡れたように潤んだ瞳を見つめ返しながらゆっくりと唇を近づけた。 
甘く食むように唇を重ねた。目蓋を伏せることなくお互いを見つめながら舌を絡ませる。

「……ん……ふっ…」

青い熱帯魚の化身が洩らす吐息は予想以上に甘く俺を昂らせた。 






溜め息が溢れた。
久しぶりに胸が高鳴った。
無理に演技をして自信に満ちた表情を浮かべ青い熱帯魚が泳ぐ水槽にカードキーを落とした。
あの人は落ちていくカードを目で追っていた。

あの瞳に見つめられたい…
自分のすべてを曝け出して…
そして… 
彼のすべてを受け入れて…

自分の中に灯った欲望にジリジリと焼かれるようだ。
チェックインした部屋に入り、逸る気持ちを鎮めようとシャワーを浴びるため服を脱いだ。
気になってどうしようもなかったあの人が俺が待つこの部屋に来てくれるのか?
服を脱ぎながらぼんやりと考えていた。
賭けに勝てるか?
勝算は五分五分だと思っていた。

最初は好奇心だった。ヒョンの無口な友人クールな視線は役柄のままに俺の心を一瞬で撃ち抜いた。
今日、一目見てどうしても欲しくなった。
シャワーを終え、バスルームを出ると部屋の中に彼がいた。
否応なしに心が昂ぶった。
近付き冷静な素振りで膝の上に乗り彼を誘う。触れるカラダは服の上からでも厚い筋肉に覆われているのがわかる。
思わず彼の目を見詰めたまま唇を寄せていた。触れるまでの時が永遠のように感じられた。 

パーティでの欲 望を伝えるだけのキスとは違い、カラダの中から溢れる渇望に流されるような口づけ。
交わす口づけに夢中になり、ずっと彼の瞳を見詰めていたいのに思わず目を閉じそうになる。
彼の瞳にも彼らしい静かな熾火のような欲 望が見えた気がした。

彼の瞳の中に揺れるものが自分と同じだといい…

胸が苦しくなるほど高鳴った。
唇をゆっくり離すと、いきなりカラダがふわりと浮いた。自分の上に跨って座っていた俺を腰を持って抱き上げ、彼はベッドに向かった。 
男のカラダを楽々と持ち上げる逞しさにうっとりしていると、そのまま放り投げるようにベッドに沈められた。
彼はフッと小さく笑うと、驚きに目を見開いている俺の頬を軽く叩いた。

「悪戯っ子はそこで大人しく待ってろ。」

ニヤリと笑うと彼はバスルームに消えた。シャワーの水音が止み、バスルームから出て来た彼のバスローブ姿にカラダが疼く。
顔に掛かった濡れた髪の間から覗く切れ長の目に見つめて欲しくてたまらない気持ちになる。
直ぐにベッドに来てくれるものと思ったら、脱いだスーツの内ポケットから煙草を取り出す。
カチリと音を立てたライターが彼が咥えた煙草に火を灯す。ゆっくりと紫煙を吐き出す。
カーテンを少しだけ指で持ち上げ夜景を見ている。窓に映る気怠げな顔はこちらを見ようともしない。 
こんな風に扱われて、それでも待つしかない俺。視線で彼を追いかける。煙草を灰皿に押し付けると、やっと彼が来てくれた。 
 
「いい子で待ってたか?」

顔を覗き込まれ尋ねられる。おずおずと頷くしかない俺。きっと浅ましいくらい物欲しそうな顔をしてるに決まってる。
笑った彼が俺に添うようにカラダを横たえた。彼の顔を見つめる。
貴方が欲しいと目だけで訴えてみる。左腕の肘を付き、空いた方の指がバスローブの合わせ目に添って俺の肌の上を滑る。
逞しいカラダからは想像できない繊細で綺麗な長い指。
思わせぶりに滑る官 能的な指…触れられただけで、ピクリとカラダが震える。

「…んっ……もう…ダ…メ……」

負けを認めたくなる。仕掛けたのは俺なのに…
翻弄されてるのも俺…

お願いだから、俺を貴方のものにして…

言葉に出来ない思いを瞳に映すように彼の目を見た。 

「感じやすいんだな…」

俺の反応を見て彼が呟いた。
その指で、その手で、その唇で、
すべてに触れて欲しい…

「…あ……あぁ……」

喘ぎ声が自然と溢れた。
まだダメだというように徐に俺はカラダを起こされ、彼に凭れるように背中を預けながら後ろから抱きすくめられた。
手を取られ、自分のモノに握るように促される。強いられるように手 淫をした。
自分の指に彼の指が蔦のように絡まり ミダ らな行為に誘う。カラダの疼きは酷くなるばかりで仰け反らすカラダを彼に預け、俺は絶頂を迎えた。
俺の放ったものを指で掬い、彼を受け入れる処に塗り込むように指を這わされた。

「…あ……ぃやだ……あぁ……」

唇から零れた喘ぎに、彼はまた小さく笑った。





バスローブを剥いて白い肌を露わにした。
欲情の証しのようにほんのりと上気した肌はベッドサイドのライトの光を受け、艶かしく色づき俺を誘ってくる。
年下の男に翻弄されるのも癪に障るので、俺が主導権を握れるようにベッドに放置してやった。
だが、愛撫に身を任せ、カラダを仰け反らせて喘ぐ様は冷静でいようとする俺の理性を何処かへ吹き飛ばしてしまう。
穿つように中に押し入るころには、絶え間ないあ えぎ声が部屋に満ちていた。
俺を更に深みに嵌めようとしているのか、脚を俺の腰に絡めもっと欲しいと強請るように揺らしている。激しく揺さ振れば快 感に流されそうになるのを懸命に堪え、快 楽に潤んだ瞳で俺の顔を見ようとする。
カラダの下であ えぐ男が俺の顔を見ながら切れ切れの言葉を紡ぐ。

「…っん…もっと…して……
愛されて…ないと俺って…死んじゃ…うから……」

艶かしく鳴きながらもそんなことを本気のように呟く。ベッドの上の睦言なのに、真剣に答えてしまいたくなる。
本気にしそうな気持ちを押し殺し潤んだ瞳に心の中で語りかけた。

お前には恋人がいるんだろう…?

そんな目で俺を見るな。
答えを聞く代わりに唇を噛み付くようなキスで塞いだ。キスを合図にカラダの下で一際高くあ えいだ奴が背を仰け反らせて果てた。
奴の中が絡みついてくる。俺も熱く締め付けてくる奴の中に己れの欲 望を放った。

初めての夜…
妖艶な恋人を持った友に同情し…
そして…嫉妬している自分に驚いていた…


青い熱帯魚の化身は、夢見るような大きな瞳で俺の顏を見て、艶然と微笑んだ。