この世には、なにか不思議な、「なま」であるもの、が巡っている。

そう思うことは多々あるけれど、3月28日はまたまたそんなことがあった。

 

2005年8月3日のこと。

僕は中国の北京から30時間列車に揺られて、モンゴルのウランバートルに着いた。

迷いながらなんとかたどり着いたIDOREゲストハウス。

チャイムを鳴らしたのは僕で、ドアを開けてくれたのはあなたでしたね。

あなたは大学の夏休み、韓国を出て中国、モンゴルとちょうど1ヶ月の旅。

それから、ドミトリーの部屋で、お互いのことを話した。

 

僕の韓国語は「あにょはせよ」レベルだったので、英語とジェスチャーと筆談で。

あなたは英語よりはカタコトではあるけど日本語の方が楽だったみたいで、そのあとはずっと日本語で。

どうして知ってるの?とたずねる僕に、

ある女性シンガーの名前を挙げて、彼女がすっごい好きだから、歌詞を調べてたら自然に、と。

また誰か、宿の住人が帰ってきたらドアを開けてあげながら、ずいぶん長く話した。

旅行の話、音楽の話、どんな生活をしているのか、好きなアーティスト、覚えるのが難解な漢字、ハングル。

僕のメモ帳が、あなたのかわいい漢字とイラストでいっぱいに埋まっていくまで。

 

そしてそして、そんなこんなもあんなこんなもありまして。

 

2009年9月15日から僕たちは日本の大阪で一緒に働いた。

日本のモバイルネット通販で、ウィッグなどなどを販売するお店を作って、

名前を「Linea-Storia(リネアストリア)」と名付けてガムシャラに毎日を。

商品を発送してからのページ作成、撮影、商品企画、検品、またまた発送。

2016年12月にあなたは去ってしまったけれど、ぼくはなんとか元気にやっています。

 

そして今日、2023年3月28日。

あの夏、モンゴルのゲストハウスで僕のメモ帳にあなたが名前を書いたシンガーの方とお会いすることができました。

なんと、よくLinea-Storiaのウィッグをステージで使ってくれているのだと。

信じられる?あのシンガーが僕たちのウィッグを好きだと、そう言っているんだよ。

僕は感謝の言葉と、そして、Linea-Storiaの始まりの原風景にはあなたの音楽があったのですと、

そう伝えることができた。

 

こんなことがあったのだよと、本当はあなたと分かち合いたいのだけれど、

残念ながら2023年の私たちは、気軽に連絡をとりあえる関係でもないので。

さて。

それでもこの世の中には、

なにか不思議な、言葉では言い表せない、

それでも誰かが結びつけているとしか思えない、

嘘だぁと笑ってしまうような、「因縁」といえるような、

「なま」っぽいものが巡っているようなので。

いつかあなたに伝えられる日が来るんじゃないかと、

僕はそう思っています。

 

 

 

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