8月の終わりは僕にとって特別。
6年前の8月を数えながら過ごす。

今日はサンクトペテルブルグのネットカフェで口論に。
20ルーブル払い戻しに成功。
夜に食べたハンバーガーがおいしかった。

エルミタージュ美術館では、いい出会いがあった。
それは人との出会いという訳ではないけれど。
モネの絵を見ていて、ある本を思い出した。
そして、その本を初めて読んだのが8月の終わりだった事に気がついた、6年前の。

ただいま8月30日、23時24分モスクワサマータイム。
6年前なら今、僕はムーンライト越後で新潟に向かっている。
まだ彼女にメールができた、ぎりぎりの時間かな。

こんな夜は文章を書いたり、本を読んだりする。
サンクトペテルブルグのペテロフスコーゴ大学寮にて。
同室のロシア人ウラディミールが、腕立てを始めた。
意味不明な、ナイスガイ。宇宙科学専攻。
文章を書きながら、時々内容を説明してやる。

明日はバスでラトビアへ。


(追記)

ロシア出国で。
最後の最後にトラブル。
ロシアのサンクトペテルブルグからラトビアのリガまでの夜行バス。
日付をまたいで9月になって。
オリオン座が東の空に半分だけ見え始めた頃。
ロシアお、ラトビアの国境へ。

乗客は全員下ろされ、荷物を全て持って列を作る。
順調に列が流れていたが、やっぱり捕まった。
僕だけ列外に出されバッグを開けろと。
バッグを開け、係官のチェックを注意して見る。
「OK」とのこと。
こちらも「OK」。
チェックする振りして抜かれたものはなさそう。

次にイミグレ手続き。
人の良さそうな(比較的)女性の係官の列に並ぶ。
ダメ、また捕まる。
パスポ-トに出国のスタンプをもらう段になって、なかなか押してもらえない。
通常ならパスポートの顔写真と実物を見比べてハンコをバン、
儀式みたいなものなのだが、なぜか駄目。
何かファイルをくっている係官。
どこかに電話をし始めた。
恰幅のいい上官が登場。
同じバスの乗客はもうみんなバスに戻ってしまった。

いろいろと言われるが全てロシア語。分からない。
何が問題なんだと聞く。
ビザの問題なのか、バウチャーなのか、インビテーションか、レジストレーションか?
何が問題になって僕だけ残されたのかと。
「ニェットプロブレーム(ノープロブレン)」だと。
ますます分からない。
ただ待つこと30分。
幸いバスドライバーは待ってくれている様子。

やっとパスポートが戻って来た。
もう行っていいよと、女性の係官が。
何が問題だったのかともう一度聞いてみた。
彼女は僕のパスポートを繰って、
「ここのスタンプが滲んでいる」と。
確かにラオスのバンビエンでパスポートを濡らしてしまって、
一部それ以前のスタンプが滲んでいるのだ。
でもそれは3年も前の話。
以来いくつもの国境を越えて来たけれど、
そんな滲みが問題になった事は一度もない。
それとパスポートの状態が悪い(ボロボロと)。
剥がれかかっているページがあると。
なるほど、確かにそれは僕が悪い。
でも、なんだかなぁ。
大騒ぎするほどの事だろうか。

とにかくロシアを出国。
さよなら。ロシア。