学校の行事で、Robin Hood Bay へ。
Whitbyから3時間ほど歩き、帰りはバス。
トレッキングにはうってつけの天気。
海岸沿いの道を歩く。

一時間ほど歩いたところで、ウサマが突然学校に帰ると言い出し、
実際に帰ってしまった。

ウサマはイエメン出身の17歳、もちろんイスラム教徒。
英語はあまりうまくない。
僕は3年前にイエメンに行った時の話をし、シャンビーア(短刀)も買って、
カートもやったんだよと。サナアの旧市街の話をすると懐かしそうな顔をしていた。

その彼に、あるオランダ人生徒が熱っぽく聞いていた。
「ジハード(聖戦)について君はどう思っているんだ?」
それから、すぐだった。ウサマが元来た道を戻り始めたのは。

「僕は純粋にイスラム教の彼の考えを聞きたかったんだ。
ムハンマドの教えが、どんなものなのか。
君も彼らムスリムに殺されるぞ。
なぜなら君ら日本人も非イスラム教徒だから
彼らのコーランには、それは義務だと書いてある」

22歳、オランダ人、ジョークのうまい、英語もうまい、
大学生の、写真が好きな、優しい、僕の好きな、「彼」の言葉だけに、
余計気が滅入る。

あまりにバランス感覚がなさ過ぎる。。。
ウサマはこの後、すぐに荷物をまとめて学校を退学してしまった。
こんな事で誰かが傷つくのは、つらい。。。