どうしようもない一日。
次の目的地、ニューマーケットのキャンプ場まで約50マイル(80キロほど)。
午後から雨と聞いていたので、4時半起き、テントを畳んで6時出発。
まだ真っ暗。
ヘッドランプをつけながらの走行。
イギリスは車しか走れないモーターウェイと、Aロード、Bロード、あとは普通の道とがある。
Aロードは日本の国道、Bは県道のようなイメージ。
Aロードは交通量が多そうなので、できるだけBロードを行く。
8時過ぎから霧雨、次第に雨が落ちてくる。
何度も止み、そして何度も降り出す。
まだずぶ濡れになるほどの雨ではない。
カッパが何度も乾き、そしてまた濡れる。
旅行をするようになって、一番最初に揃えたのがこのカッパだった。
もう5年目、だんだん雨が沁みてくる。
14時過ぎ、ニューマーケットの町に到着。
雨が強くなってきた。
ツーリストインフォメーションでキャンプ場の場所を聞くが、キャンプ場はないとの答え。
しかし地図上にキャンプサイトの表示がある。それを見せると、
「3年前にクローズ」とのこと。
はぁ、、、
一番近くにあるキャンプ場を教えてもらう。
ここから5マイル(8キロほど)とのこと。
そこはオープンしているのかと聞くと「Should Be」とのこと。

45分ほどでBurwellという村に到着。
たしかにキャンプ場のサインが出ていた。
サインを頼りにキャンプ場を目指す。
早くテントを張って休みたい、、、
やっと到着、しかしレセプションに誰もいない。
向こうにキャラバンカーがたくさん見えるので、ここで間違いはないはず。
ベルを鳴らし、気長に待つもダメ。
様子を見ようとキャンプ場の敷地に入ろうとすると、「何してるんだ」と声をかけられる。
キャンプをしたい旨申し出ると、「キャンプはダメだと」
でも、中にキャラバンがたくさん止まってるじゃないかと。
「キャラバンはいいけど、キャンプはクローズ」とのこと。
どう違うんだ、お金は払うからその辺の芝生にテントを張らせてくれと頼み込む。
トイレもシャワーもなくていい、凍死するような寒さでもない。迷惑かけないからと。
しかし,答えは「ソーリー」
この雨の中、どこに行けばいいんだと必死に懇願。
答えは変わらず。「ソーリー、クローズド」

次のキャンプ地まで、僕の地図なら、さらに西へ20マイル。
それもオープンしているのかどうか確実じゃない。
ずぶ濡れ。
走りながら叫ぶ。もう、叫んでた。

分かっている。自分が悪いのだ。
地図の表示だけでなく、キャンプ地に電話などでオープンしているかどうか確認する必要がある。
分かっている。それには「AA Camping and Caravan」という本がベストだという事も。
しかしないのだ。ブックショップを見つける度に探すのだが、ない。

ドシャ降りの雨。
バス停で雨宿り。
惨めで惨めで、どうしようもない。
もう75マイル(120キロ)、朝から走った。
まとまった休憩も、食事もとっていない。
最悪。

キャンプ場のサインを見つける。
地図には載っていないが、賭けてみる。北上。
どうもオープンしている様子。
キャンプを申し出るとOKとのこと。
よかった、、、

雨の中テントをはる。
しかし、下は土。これが雨で泥になっている、しかも粘土質。
持ち物は全てずぶ濡れ。
雨と泥。
サンダルも泥の重みに耐え切れずチギれる。
雨に濡れた寝袋に体を収めて、もうイヤになる。

もうやめよう。
こんなこと。
楽な旅行なんていくらだってある。
こんな泥と雨、トイレの匂いがプンプンのキャンプ場が8ポンド、1600円。
タイやラオスだったら、同じお金でどれだけの思いができるか。
もうこんなこと、嫌だ。意味がない。
降り止まない雨の中、浸水に脅えながら就寝。
ボロボロ、朝になったら何かが変わっているだろうか。
明日また自転車に乗る気になるかどうか、全く自信がなかった。