早朝7時20分、出航。
値段は57ユーロ、8000円ほど。
チェコのプラハからアムスでもロンドンでも値段は変わらなかったが、
やっぱり海は船で渡りたかった。
バスで海峡を渡るというのは味気ない。

4時間ほどでイギリス側、Harwitchに到着。
イギリスの入国審査は厳しいと聞いていたので、しっかりと用意をして臨む。
学校の入学許可証、銀行の残高証明書、クレジットカード、そして襟付きのシャツ。
船のトイレで鏡の前で髪に櫛も入れた。
これは完璧だろう、どうみてもテロリストに見えないと思うも、
しっかり入国審査で止められる。
次々と審査を抜けて行くEU市民を横目に、長い長い面談が始まる。

「何しに来た?」
勉強。
「何ヶ月いる?」
3ヶ月。
「学校の証明書を見せろ」
どうぞ、これです。
「これは本物か?」
不審に思うなら自分で確認してください。
「帰りの航空券を見せろ」
ない。帰るときはちゃんと買います
「そんな金持ってるのか?」
はい、CITIBANK の残高証明書。
「クレジットカードを見せろ」
どうぞ、シティのエセゴールドですが。
「学校にいくら払った?」
これこれです。
「そのときのレシートを見せろ」
、、、それはさすがに持ってないなぁ。
「本当に金を払ったのか?」
払ったよ。ちゃんと。
「学校に確認するから待て」
はいはい。どうぞ。
「そんな金どうやって稼いだ?何をしていた?」
この辺でかなりカチンときていた。27だぞ、働いてだよ!

そんなこんなでやっとイミグレをぬけてカスタムチェックへ。
僕一人の為に3人掛かりで荷物を調べる。
「爆発物やドラッグは、、、」
持ってませんから、、、

「Whitbyまでどうやって行くんだ」
こいつで走っていきますよと自転車を指す。
「何マイルあるのか知ってるのか?」
400マイルくらいと答えると、若い女性係官に大笑いされる。
ちょっと、詰め寄ってみた。

45分ほどでやっと解放。
まあ、国境はこんなものか。

町の本屋さんで地図とキャンプ場の本を探すが、ない。
仕方なく、キャンプ地のマークが入っている地図を買い、走り始める。
イギリスは、キロメートルではなく、マイル、ヤードの世界。
地図、標識も全てマイル表示。
サイクリングコンピュータをマイル表示に変更する。
100マイルが160キロメートル。

日本と同じ左側通行、なんだか安心。
オランダと違って、車道とくっきり分離されていないのが嬉しい。
24マイルほど走って、Ipswitchの手前でキャンプ場のサインを発見。
サイン通り南下するも、そこからが遠い。
結局聞き回った挙げ句、小さい酒場の裏庭がそれだと分かる。
バー、ホワイトホース。
イギリス最初のキャンプサイト。
テントの大きさを聞かれ、その分の芝を刈ってくれる。 
キャンパーは僕一人だけ。
イギリスのキャンプシーズンはもう終わった様子。
ヨーロッパはキャンパーで一杯だったのに。
バーでビールを一杯だけ飲む。
明日は午後からたたきつけるような雨だと聞かされ少し心配。
早朝出発の用意をして就寝。
イギリス、最初の夜。