美しすぎて、もう何も分からなくなるぐらいの。
そんな世界に出会ったとき。
君ならそれを、君の大切な人に、
いったいどうやって伝える?
そんな問いかけが、
バックパッカーたちの間にはある。
精を込めて写真に収めるという人。
筆を尽くして、手紙に書くという人。
ただ想い願い、そして祈るという人。
そしてある人は、こう言ったという。
「自分が変わってゆくこと」
その風景に出会ったことで、
自分が変わってゆくこと。
結局は自分そのものでしか、
何も伝わらないんだから、と。
彼の死をそんな思いでしか今は、
受け止めることができない。
生きる意味は百万遍もあって、
死ぬ意味なんて一つもない。
それでもある日、人は死ぬ。
いつだってそう。
ゼロになってはじめて。
カウントダウンがいつかに始まっていたことを、
ある日唐突に、それは知らされる。
全部夢ならいいのに。
全部嘘なら、それでいいのに。
朝になったら、何かが変わっていそうな、そんな気もするよ。
だからそう祈りながら、今夜は、
おやすみなさい
おやすみなさい。
三沢光晴さん 試合中倒れ死亡
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