大宇からプレゼントを貰う。
大宇の彼女が作ったネックレスだって。
もらっていいの?と聞くと、「うんうん」って。
ありがとうって言うと「中国では友達の間では謝謝は言わない」だって。
お前かっこいいよ。
さらに友達のしるしに名前を貰う。
中国では友達に自分の名前をあげるんだそうだ。
「王 浩純」ってつけてもらいました。
大宇のベッドが空になる。
なんだか寂しい。
夜、建国路の歩道橋で、すごい人に会う。
自分の前に空き缶を置いて、お金を入れてもらっている人なのだが、
ハンセン病だろうか、顔の左半分、左手、首から胸にかけてが、
もう崩れている。色も形も。
目を反らしてはいけないと立ち止まり座り込み、横顔を見つめ続ける。
どんな景色を、彼は見ているのだろうか。
もう一生働けない、普通に歩けない、話せない。
人には避けられる、正視されない。愛される事も難しいかもしれない。
それはいったい、どんな景色なんだろう。
彼の空き缶に1元だけを入れ、去っていった日本人は、
彼の風景にどのように映っただろう。