今回の記事では、現役京大生である僕が考える京大に合格するための勉強法についてお話しようと思います。今回はその数学編です。
以前の記事でもお話ししましたが、僕自身、受験生だった時に数学に悩まされていた時期がありました。自分は元々数学が一番の得意科目だったのですが、それゆえ高校1,2年の時は「数学は得意だしそんなに勉強しなくても大丈夫だろう」と慢心しており、数学よりも英語などの他の科目の勉強ばかりしてしまっていました。その結果、高校2年生までは模試でも好成績を取れていたのですが、高校3年生になり本格的に冠模試を受けだしてから数学の点数を思うようにとれず、得意だったはずの数学が足を引っ張り続けていたのです。最終的に入試本番でも79/200と決して良い点数ではありませんでした。このように僕は入試までに数学の成績を上げ切ることはできず、後悔もたくさんありました。そんな僕だからこそ書けることを今回は記事にしようと思います。京大志望の方はもちろん、京大志望以外の方でも数学の成績が伸びずに悩んでいる方に参考になれば幸いです。
数学と英語は早い時期からの勉強が必要
これは良く言われていることですね。以前の記事で僕が夏の冠模試から入試本番までに理科の成績を大幅に伸ばしたことをお話ししましたが、数学や英語では入試直前にここまで大きく追い上げるのは正直厳しいです。大学入試では理科や社会ももちろん相当な勉強量が必要になりますが、やはり数学と英語が一番勉強時間が必要で、高校1,2年あるいは中学校からの積み上げが本当に大事になります。なので、現在高校1,2年生の人はとにかく数英の基礎固めだけは徹底して行ってほしいと思います。また、僕と同じように「自分は数学が得意だと思い込んでいる人」も一定数いるのではないかと思います。これは、自分の高校の周りの友達を見ていても感じたことです。まだ問題が難しくない高校1,2年の時の学校のテストや模試では良い成績が取れていて数学が得意だと思っていたけど、入試レベルの問題をやりだしたら解けないという人です。次はそんないわゆる応用問題になると解けないという人に向けたお話です。
入試レベルの問題を解けるようにするには
まず、僕は数学の勉強には3つの段階があると考えています。それは
1.基礎の計算をできるようにする
2.解法を知る/覚える
3.解法を使い分けられるようにする
です。1.は例えばsin,cos,tanの公式を使えるようにしたり、簡単な微分の仕方を知ったりといった、いわゆる教科書レベルのことを理解してできるようにする段階です。2.はさらに青チャートやフォーカスゴールドなどの網羅系の参考書などを使って様々な典型問題に触れて解法を知って、覚えるという段階です。そして3.は初見の問題に出会ったときに、覚えた解法のうちどれを使うのかの判断をできるようにするという段階です。ここで、入試レベルの問題が解けない人の原因は、2で覚えた解法の数が足りていない、あるいは3.の解法の使い分けが出来ていないかのいずれかになると思います。そして、やはり3の解法の使い分けというのを意識して勉強できていない人が多いと思います。数学の応用系の問題集や過去問を、網羅系のものと同じような方法で勉強してしまっているなら注意が必要です。少し考えてもわからなかったらすぐ答えを見る勉強法を解法暗記などと呼んだりしますが、これは数学の基礎が固まっていない初期段階に有効な勉強法であって、入試レベルの問題に対して行うべき手法ではありません。応用系の問題集や過去問などに載っている入試レベルの問題は、すぐに答えを見るのではなく、まず自分が知ってる解法のうちどれを引っ張ってくるのかという判断をし、その解法で答えに辿り着けそうか試行してみて、いけそうな解法を用いて答えまでの計算を合わせるという流れを意識づけて演習すべきです。このように入試レベルの問題を解く際には1問に対してじっくりと考えることが必要になります。そのため、今の数学の勉強があまり考えることもなく、わからないとすぐ答えを見てばかりであるなら、じっくりと考える演習を行ってください。1問に対して30分でも1時間でも粘ってみてください。自分の場合、このじっくり考える勉強の重要性を高3の冬に気づき、もっと前に気づいていればと後悔していました。この勉強法ばかりをやっていたら確かに時間もかかるので、すべての問題にそこまでの時間をかける必要もありませんが、問題に対して粘り強く考える力は難関大の難しい問題に立ち向かっていく際には必要となるのでぜひじっくりと考える勉強も行ってください。また、高校1,2年生の段階では難しい問題に触れる機会が少ないという人も多いと思います。自分もその一人でした。そういった方は駿台模試や同日模試(2次試験)などをぜひ受けてみて欲しいと思います。早い段階で難しい問題を解けるようになれとは言いませんが、難しい問題に向き合う経験は非常に大切だと思います。
計算力の必要性
皆さんは計算練習を日々の勉強の中でしているでしょうか?していない方が大半だと思います。確かに数学の勉強をするとなったら解法暗記や思考力を付ける勉強をしたくなるのはわかりますが、大学受験において計算力というのは数学に限らず理科でも重要になってきます。大学受験の数学では、たいてい答えだけでなくその過程も採点してくれますが、やはり答え自体が計算ミスなどによって間違っているとかなりの減点をされると思った方が良いです。実際僕の入試本番では、計算ミスによって答えを間違えているものの、過程自体はほとんどあっている設問がありました。その設問の難易度が低かったのもあるとは思いますが、おそらくその設問はほとんど部分点を貰えていないです。思考過程に部分点をくれる場合も多いので計算ミスしていても多くの点数をもらえる場合もありますが、入試では最後の1,2点の勝負になってきます。僕の大学生の友人(浪人生)にも、現役の時に4点差落ちや1点差落ちといった人がいます。たった1つの計算ミスで自分の人生を大きく変えることもあるのです。それくらいの意識と緊張感をもって普段から計算を行うことが計算力を付けるうえで一番重要だと思います。
過去問研究の重要性
ここまでは、京大志望の人だけでなく一般的に言えることをお話してきましたが、これは特に京大志望の人にお伝えしたいことです。皆さんはこの問題を知っているでしょうか。
これは以前の記事でも登場した、僕が京大を受験した2025年の数学の大問2の問題です。この問題は2025年に出題され、答えが2025ということで有名ですが、それよりももっと大切なことがこの問題にはあります。「京大の整数問題といえばmod3」京大志望の皆さん知っていましたか? ここまで言い切るのは少し極端かもしれませんが、僕の周りの京大生の友達とこの問題について話すと、誰もが同じセリフを言います(笑)。そして大体みんな解けています。問題自体の難易度だけを見ると合格者でも解けていない人がそこそこいてもおかしくはないはずです。じゃあなぜ合格者はみんな解けたのかというと「京大の整数問題といえばmod3」←これを知っているからですね。という風に、各大学の入試数学の問題にはその大学独自の傾向があります。特に京大は過去問と似た出題が多いので、過去問を研究しその傾向を知ることは合格するうえで非常に大切です。京大数学の傾向で僕が対策していて感じたものを挙げると
・他の大学と比べて数Ⅲよりも数1Aの図形や整数などの出題率が高い
・確率の問題は確率漸化式に持ち込むものが多く、解きやすい問題である場合が多い
・図形の問題のうちベクトルの解法が有効なものは解きやすい問題が多い
・数Ⅲの問題は標準的なものが多く難問は少ない
とかになります。こういった傾向を知っているかどうか、そしてそれに基づいた勉強が出来ているかどうかで大きな差がでてきます。もちろん頻出分野だけを勉強するというのは良くありませんが、入試本番までに勉強することのできる時間は有限です。優先順位をつけて勉強するようにしましょう。そして、大学の傾向と一致しているような問題が入試本番で出題された場合、その問題はたいてい「解けなくてはならない問題」または「合否を分ける問題」になるでしょう。結局入試本番では難しい問題を解くことなんかよりも、解ける問題を確実に取り切ることの方がよっぽど大事になります(医学部は除く)。そういった易~標準の問題を確実に解き切るためにも、過去問をよく研究して志望校に特化した勉強をするべきです。さらに京大の場合、「世界一わかりやすい京大理系数学の合格講座」といういわゆるせか京と呼ばれる参考書があると思います。せか京こそまさに入試本番で解けなくてはいけない問題を確実に解けるようにするための本だと思っています。この参考書を使えば京大に特化した勉強もできますし、京大志望なら絶対にやった方が良い1冊だと思います。
今回の記事では僕の数学の勉強法に関する考えをお話してきました。最後に僕が京大に合格するために使用した数学の参考書の一覧を掲載したいと思います。僕が京大に合格するまでに使用したものは以下の通りです。
・Focus Gold ⅠA,ⅡB
・1対1対応の数学Ⅰ,A,Ⅱ,B,Ⅲ,C
・新数学スタンダード演習1A2B,ⅢC
・ハイレベル理系数学ⅢCの完全攻略
・世界一わかりやすい京大の理系数学合格講座
・京大入試詳説(青本)
・京大数学プレミアム
今回の記事は以上になります!数学で悩んでいる受験生はぜひ参考にしてください!最後までお読みいただきありがとうございました!
