明日の記憶 荻原浩/著
広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう!山本周五郎賞受賞の感動長編、待望の文庫化(光文社ホームページより)
渡辺謙さん主演で映画化された作品なので、読まれた方も多いかも知れません。
若干50歳のサラリーマンが突然、若年性アルツハイマーになってしまい、仕事も家庭も変化を余儀なくされてしまいます。
この本を読んで思ったことは、自分自身の記憶が徐々に失われていってしまい、自分の家族のことさえもゆくゆくは忘れてしまう恐怖と戦うことの怖さです。
私には耐えられるか?分かりません。恐らく無理かも知れません。
本文にもありますが、主人公は自分が段々記憶をなくしていき、将来自分の奥さんも忘れてしまうと思い、離婚を切り出します。
奥さんはそれに猛反発をします。戦っているのは自分も同じだと。
色んな形がありますが、私はここに嫉妬するほどのすごい夫婦愛を感じました。
奥さんにここまで愛される主人公は何て幸せだと。
しかし、最後のページで主人公は、迎えに来た奥さんに名前を聞いてしまいます。
奥さんを忘れてしまった瞬間です。
奥さんはここで失望せず、笑顔で自分の名前を教えます。
奥さんは既に覚悟を決めていたのだと思います。それは夫が記憶をなくしてしまうことへの覚悟ではなく、記憶をなくした夫であっても、今後も一緒に生きていく覚悟だと私は感じました。
すごく感動的なラストシーンです。
この本は是非30代、40代の人に読んで欲しいです。
50代や60代になってから読むには、リアリティが強すぎて辛くなりそうですので。
評価:★★★★★(満点!)
