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「見たいのは、やはり1-0の息詰まるような投手戦、打撃戦は大味でどうもいただけませんな」
今日の夕方までの私は、もったいぶってそう話したはずだ。数時間後の私は、数時間前の私の後頭部を、桐の下駄の歯のついた方で、ぱかーんと殴ったはずである。見たのだ、今夜の横浜球場の試合を。
1回、制球の甘い高崎が2死満塁までこぎつけたものの、亀井のあたりがナイジャー・モーガンのグラブをかすめるように抜けて3点、さらに村田の一発で5点が入った。相変わらずのDeNAだなと思ったのだが。

確かにDeNAの中軸は当たっていた。ブランコは初球から振っていたが、ファウルも含めてすごい当たりだった。ストライクなら全部ほうりこみそうな勢いだった。
巨人の先発ホールトンは、魅入られるようにコースに投げ込んであっという間に2点を奪われる。

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さらに中村紀が左翼スタンドに。

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この当たり、明らかに詰まっていた。ふつうならば左翼フェンス際で取られると思ったが、ぎりぎりで入った。本当に統一球か?という気がした。
この一発で、ハマスタには怪しげな空気が漂ったのだ。

ホールトン、高崎両投手は以後、立ち直る。ともにうそのようにいい球を投げだしたが。6回、高崎が捕まる。交代した加賀は村田にぶつけただけ、1球で交代し、大原に。しかし代打矢野の二塁打で3点が入る。
7回には坂本、ロペスにも一発。どちらも左翼席。
10対3、率直に言ってDeNAはこの程度だと思った。

しかし7回、ホールトンから代わった高木京にDeNA打線は襲いかかるのだ。新人白崎の中前打のあと、代打多村が一発。これは場外に見えたが最上段。すさまじい一発。

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これでDeNA打線は「振り回すのあり!」と思ったのだろう。不振にあえぐナイジャー・モーガンが右翼ポール際に一発。内村が中前打、荒波も続き、やや気負いの見えたブランコは左前に軽打。そして中村紀が中前打。冴えわたっている。6連打。これに坂本のまずい守備も絡んだ。この間に投手はマシソンに変わったが、その勢いは止められなかった。

隣の家族連れは、お父さん一人が野球好きで、お母さんと男の子二人はそれほどでもないという構成。お父さんが何度も「な、打者一巡だぞ、全部打ってんだぞ」というが子どもは反応なし。

前の子供のグループは踊り狂った挙句、過呼吸になりかかっている。

巨人はセットアッパーの山口で逃げ切りを図る。
しかしDeNAの勢いは8回も続く。代打から左翼に入った多村が右前打。モーガンのバントは投手山口が判断ミス。内村、荒波は走者を進められなかったが、ブランコに廻る。山口はブランコを歩かせて中村と勝負。二死満塁、中村は三塁打が出ればサイクル安打だったが、三振。

いくらなんでもこれで終わるだろうと思った。9回は西村である。いつも口は半開きだが、実に隙のないクローザーである。

代打金城の当たりは一塁ベースに当たるゴロ。審判がファウルとミスジャッジ。原監督の抗議で覆る。中畑監督が抗議するも再度の変更はなし。1死、1割台前半の高城。ふつうは打てないはずが、左前に運ぶ。白崎の代打後藤も左前打。

そして多村に3度目の打席が。

横のお父さん一人だけ声が嗄れている。前の子供たちはいがぐり頭から汗を拭きだして踊り狂っている。たぶん、何人かは帰って熱を出すのではないか。

不思議なことに、スタンドは確信に満ちているように思えた。ここまでくるとなんでもあり、という雰囲気になるなか、多村は球に逆らわず振りぬいて右翼スタンドに飛び込むサヨナラ3ラン。

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多村は7回から出場して猛打賞、9塁打、5打点。

この試合を見て、確かに統一球やストライクゾーンについて、データを一度調べなおしてみるべきだと思った。



もう一つ、ここ2年、風呂の底の残り湯で体を洗うような、せせこましい、ひねこびた野球をしてきたNPBだが、誰かが「バットを振らなければはじまらない」という自明のことを再発見したのではないだろうか。

今日の8本塁打の内の何本かは、明らかに狙って打ったものだと思う。
そうした荒々しい野心がNPBに戻ってきたとすれば、それは本当に喜ばしいことだ。

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