シマウマ君に触発されて,以前に書いたブログ,手帳を頼りに過去の練習について振り返ってみました.
こういうことは年末にすべきなんだろうけど….


練習グラフ



表-1,図-1に示しますのは,過去3年間の被験者Jの自転車練習距離です.

まず,明らかに言えることとして,2006年の総走行距離が他の2年間に比較して2000キロ以上多いです.
2006年が2005年,2007年に比べて強くて当然です.
また,月毎の練習量に大きな差はありません.
これに対し,2005年,2007年は7月・8月期に大穴が開いています.
これらは院試勉強,査読つき論文投稿によるものと考えられ,仕方の無い事情であったとはいえ,以後のパフォーマンスに非常に大きな影響を与えたことは明らかです.
2006年に示すように,レースの多い6月でも600キロの練習距離を稼ぐことが可能であると考えられることから,パフォーマンスを維持したいと考えるならば,月間600キロは最低練習しなければならないと考えられます.

波形とその後のパフォーマンスに関して考察を行うと,ピーク練習量の翌月は好成績を収めていることが推察されます.
毎年6月初旬に開催される壱岐サイクリングフェスティバルを例にとりますと,2005年においては,一般3位ながらも登録1位と数秒しか放されておらず,レースの最終局面に加わることが出来ています.
2005年は始動は4月(3月にも合宿で練習しているが記録が欠損)と遅めでありながらも,5月約1200キロの猛練習のピークを作っています.
2006年は3月から徐々に走行距離を延ばし,5月に約1100キロの猛練習を行っています.
結果カテゴリーは違っていたものの,おきなわでは全く歯が立たなかったマヒトに先着しています.
一方,2007年は結果的には全く振るわず10位(登録)という結果でした.
3月の走り始めから3ヶ月月間800キロの練習を積んでおり,練習距離には差が無いどころか最も多い練習量であったにもかかわらずのこの結果は,距離によるピークコントロールが如何に重要であるかを示唆しています.
シーズン後半にも同様の現象が見られます.
2005年10月31日プレおきなわでは序盤サドル高が合わずに苦戦しますが,後半のマゾ峠2位,観音峠3位と盛り返しており,充実期に向かっていると考えられます.
2006年9月4日プレおきなわコース,マゾ峠にて,大きな峠では唯一の白星をマヒトから挙げています.

ここまで,練習ピーク翌月に高パフォーマンスを発揮する事を述べてきましたが,次にこの高パフォーマンスは一体どのくらいの期間有効であるか考察します.
例として2005年オートポリス第2戦を考えますと,残り30分でメイン集団から遅れ11位という結果に沈んでいます.
6月は毎年レースが多く,月間走行距離が稼げない月ではありますが,練習量が下降線をたどったことで翌月に大きくその影響が出ています.
2006年11月のおきなわも同様だと考えられます.
したがって,目標とするレースの1ヶ月前には寝る間も惜しんだ猛練習をしなければならないことが示唆されます.
逆に言えば,レース1ヶ月前でないのに必要以上にたくさん練習してはいけないことになります.
自分が出来る限界の練習量をきちんと把握した上で,練習計画を立てる必要があるということだと考えます.

表-2,図-2に示しますのは各練習後との距離別頻度と練習総回数,平均練習距離です.

まず,練習平均距離が徐々に短くなっていることが分かります.
これは練習が夕から朝にシフトしてきたことが考えられます.
朝はどうしても長い時間を確保しにくく,それゆえ長い距離の練習が出来ません.
また2005年はまだ4年生であり,スケジュール的にもそれほどタイトではなかったため,初期の段階では朝100キロ走ってから大学に行くという荒業もしていました.
2007年はほとんどの練習が朝錬であり,時間の制約のため30キロ~50キロの練習を数多くこなしました.
2007年は練習距離にしては全くの不調の年でしたが,恐らく距離が短いがゆえに,知らず知らずの間に高強度すぎる練習ばかり積んでしまったのではないかと考えられます.
マフェトン理論等によれば,運動強度を緩やかな山形にすることが重要であることが言われていますが,これが出来ていなかったと考えられます.
被験者Jはその場その場(だけ)で頑張ろうとする心理的傾向があると言われています(?).
このことが災いしたのでしょう.
マフェトン理論の教えるところの,9:1,すなわち持久的トレーニング9に対し,瞬発的トレーニング1を意識したトレーニングスケジュールを組む必要があるのではないかと考えます.

長距離練習に関して見ますと,2006年の練習量が多いのは明白ですが,2007年に比較し2005年の長距離練習の多さが目立ちます.
150km以上の練習が2005年では8,2007年では5です.11月のおきなわとTT(福岡鹿児島ノンストップTT)を除けば6:3でおよそ2倍の長距離練を積んでいます.
TTでその結果を比較しますと,2005年,2007年とも寒さによる低体温に陥っていますが,2005年は熊本から阿久根手前の約120kmを独走しており,かつ水俣までの全ての区間で区間賞を獲得しています.
一方2007年は熊本では既に集団にしがみついている状態になり,八代で大幅な休憩時間をとったものの復帰できず挙句の果てにはリタイアしています.
図-1より2005年は下げ調子,2007年は上げ調子であったことを考慮すると長距離に対する150キロ以上の練習の必要性が際立ちます.



以上まとめると次のようなことが教訓として理解されました.


①大穴を作らない.少なくとも月間600キロを確保する.
②目標とするレースの1ヶ月前の練習距離が最大になるように調整する.
③ピークは長くても1ヶ月しか持たない.スケジュールとにらめっこしてピークを間違わないようにする.
④強度の「山」を意識した練習を行う.出来れば一回の練習距離を長くする.
⑤おきなわ,TTには150キロ以上の練習距離を6回はこなすべき.



…まぁ至極当然のことが分かっただけといっていいかもしれません.
ただ,こういうことを身をもって体験できたことは非常に意味のあることだったとおもいます.
僕の気がつかなかった点,また質問などありましたらぜひぜひコメントお願いします.