キャスター付きの椅子に腰掛けたドクターが、
座ったままその椅子を滑らせて近づいてきた
顔を両手で包み込んで目を覗き込む
「。。眼球を動かしてみてください。。左を見て!」
「見てるつもりだけど。。。動いてます?」
「。。。動いてはいます。。。」
オッドアイ
いわゆる左右の目の色が違う状態になっているらしい
視力が極限に低下
テレビの画面がショートしたみたいに真っ白にしか映らない
同じ病院の眼科に回されることになった
専門的なことを何をどう言われても、自分の努力じゃどうしようもない
ただ言われるがままの治療を受けるしかない
だからといっても元の状態に回復できる保証もない
治療も生活も全て一人でこなすしかない
それが現実だった
その現実は重くドッと圧し掛かることになる
歩くだけで人に物にぶつかりまくり
何をやるにも今までよりワンテンポ遅れる
乗り物の運転は自転車さえも困難になった
このまま一生片目なのかなあ
どうでもいいけど。。
早く身体動かしてえなあ
シュートボクシングやりたいな。。。
そんなことばかり考えて
毎日を過ごしてた
27歳の夏
それ以来、俺は隻眼になった
座ったままその椅子を滑らせて近づいてきた
顔を両手で包み込んで目を覗き込む
「。。眼球を動かしてみてください。。左を見て!」
「見てるつもりだけど。。。動いてます?」
「。。。動いてはいます。。。」
オッドアイ
いわゆる左右の目の色が違う状態になっているらしい
視力が極限に低下
テレビの画面がショートしたみたいに真っ白にしか映らない
同じ病院の眼科に回されることになった
専門的なことを何をどう言われても、自分の努力じゃどうしようもない
ただ言われるがままの治療を受けるしかない
だからといっても元の状態に回復できる保証もない
治療も生活も全て一人でこなすしかない
それが現実だった
その現実は重くドッと圧し掛かることになる
歩くだけで人に物にぶつかりまくり
何をやるにも今までよりワンテンポ遅れる
乗り物の運転は自転車さえも困難になった
このまま一生片目なのかなあ
どうでもいいけど。。
早く身体動かしてえなあ
シュートボクシングやりたいな。。。
そんなことばかり考えて
毎日を過ごしてた
27歳の夏
それ以来、俺は隻眼になった