こんにちは。
今日は前回に引き続いて温泉療法の続きです。

炭酸泉はいわゆる炭酸ガスが温泉に溶け込んでおり、日本では「ラムネ湯」などと呼ばれています。あったかい「ペリエ」に入っているような感覚です。ヨーロッパでは古代ローマ時代から炭酸泉を使っていた記録があり、特にイタリアでは現代までに多くの炭酸泉を使った治療法があります。

では炭酸泉にはどのような医学的な効果があるのでしょうか。
1、炭酸泉に含まれている炭酸ガスには血管拡張作用があります。血管拡張により血液循環がよくなることで、心臓への負担軽減、血圧降下などの効果が見られ、心臓病や動脈硬化、高血圧などの治療に使用されています。そのため、一部の病院では心臓リハビリテーションに温泉療法(温熱療法)が使われています。

2、傷やケガの治療にも効果があることが報告されています。高濃度の炭酸泉に傷のある部分を浸けておくことで血流が改善され新陳代謝が亢進され、傷口の早期治癒効果が期待されます。さらに炭酸ガスの抗炎症作用によっても症状改善が期待されます。
火傷、切り傷、アトピー、ニキビの改善に効果的です。

温泉に溶け込んだ炭酸は、非常に小さい分子構造をしているので、炭酸泉に浸かることで皮膚から浸透し、毛細血管内に入っていきます。
炭酸が毛細血管に入ると血管拡張ホルモンが分泌され、これにより血管が拡張され、血流量が増加し、酸素を皮膚組織へ供給することで細胞が活性化します。すると患部の組織再生や新陳代謝が促進され、傷やケガの治療に効果を発揮します。

また、血液循環がよくなることで、血管や心臓への負担が軽くなるため、炭酸浴をくりかえすことで徐々に血圧を下げることができることも分かってきています。

日本には炭酸泉と言われている温泉がいくつかあります。しかし、温泉に含まれておる炭酸の量が豊富でないと意味がなく、加水されたり、循環式の温泉では効果は得られにくくなります。
また、コーラ気が抜けてしまうように、源泉から離れていたり、遠くから運んでくると炭酸は気化してしまい炭酸泉の効果が得られにくくなります。

次回は私がオススメするととっておきの炭酸泉を紹介します。


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