『そんなの……………
関係ない。』
と、小林さんが怒りだした。
小林さんには、自分を理解して守ってくれる
異性がいる。
人から後ろ指さされることもないだろう……
でも、俺たちは…………
だから
『…………関係…………あるよ。』
と、言った。
俺たちがどんなに愛し合っていても
世間は認めない。
彼女が怒ってるから
俺の方は段々落ち着いてきて
客観的にみることができた。
『…………俺は…………
彼が大好きだけど………
俺の我が儘で…………
彼を振り回しちゃいけないんだよ。』
さっきまで別れるなんて嫌だって思ってたのに
今は…………
翔くんの幸せの方が大事なんだって思えた。
『それって…………
彼もそう思ってるのかな?』
と、直紀さんが言う。
『…………………』
わかんないよ………
『ねえ。
男と女だから結婚するんじゃないよ。』
と、小林さんが言う。
『え?』
『男と女だから結婚して
子供つくって
虐待して離婚してバカみたい。
それが…………世の中だよ。
誰が責任とるの?
自分でしょ。
世間じゃないよね。
男と女だから結婚するんじゃないよ。
愛してるから結婚するんでしょ。』
『………………………』
『そりゃあ………
日本では同性同士の結婚は認められてないけど
相手が男だから、女だからって
好きになっり、愛したりするんじゃないでしょ。
世間がどうこう言ったって
言いたいだけ言わせておけばいいんだよ。
わかってくれる人が現れるから』
小林さんも、世間から中傷されてきたんだろうことが読み取れる。
『でもね。
大事なものはちゃんと残るから。』
と、小林さんが俺の手を握った。
直紀さんが
『相手の人は、大野くんから逃げたがってるの?』
と、聞いてくる。
『……………違………う。』
今朝だって、
翔くん休みなのに
俺が朝早く仕事に行くときに
態々起きてきて
「早くかえっておいで
家の事を全部やって待ってるから。
そしたら、今日は食事に行こう。
同棲一週年のお祝いに」
と、キスをしてくれた。
翔くんの優しいキス。
『…………じゃあ………
自分から放しちゃだめだよ。』
って、小林さんは強気だ。
そう言えば、「早く帰っておいで」って言われたのに
気付けば3時間も過ぎてる。
…………翔くんが……………
心配してるかもしれない。
って、思って顔を上げた時
向こうから走ってくる翔くんが見えた。
凄く慌てているように見えて
何かを探してるようにも見える。
「…もしかして………?
………俺を……………探してる?」
コンビニの中に入っていって
コンビニの中をぐるっと一周して
すぐ出てきて
また、走っていこうとして
俺達の車の横を通った。
凄い汗をかいて
必死の形相。
もしかして…………
もしかして……………
『翔くん。』