翔くんが………
俺を好きだって………
智さんじゃなくて
智さんに似てる俺じゃなくて
俺を好きだって………
「健太が好きだ。」って、言ってくれた………
俺を好きだって………
…………………嬉しい。
うれしい……………
俺、今まで生きてきて
好きだなんて言われた事がないから
ドキドキして
嬉しくて
泣いてしまった。
でも……………わかんないんだ。
心のどこかで
「怖い……………」と思ってる。
こんな俺が……
俺みたいな奴が…………
人から「好きだ」って言われるわけがないって
これは、翔くんの優しさから出た嘘。
俺を抱いたことで生まれた
罪悪感が言わせたんだ。
わかってる…………
わかってるから…………
大丈夫…………
勘違いはしないから…………
俺は、分をわきまえてるつもりだよ。
わかってるから……………
でも、今だけは……………
智さん。
俺を許して……
今だけは、翔くんを俺のものだと思わせて……
あなたが帰って来たら………………
ちゃんと身を引くから……………
今だけは…………
俺は、翔くんの胸に顔を埋めて泣いた。
翔くんが俺の隣でブーブー言ってる。
「なんで?」とか
「意味がわかんない。」とか
腑に落ちないのか不平を漏らす。
先生の家に向かう道すがら
ノートの脇にチョチョイと書いた
先生の地図は難解で
解読に時間がかかってしまった。
時間がかかった分、翔くんにあれやこれやと
考える時間を与えてしまったみたい。