哀しみは雪のように 171 | 嵐のS君妄想小説(BL)

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嵐の大野君が大好き。
そして、翔くんと智君の絡みが大好き。
BL大好きっ子の私が
嵐をネタにチョコチョコ書いてます。






『………いい。

帰るからいい。』

そう言って、コートを着だして

玄関に向かう健太の腕を掴んだ。

『放して。』

俺の手を振り払って靴を履く。


『バカ、今から帰れるわけないだろ。

それに俺に用があって待ってたんだろ。』

健太の後ろ姿に尋ねる。



『…翔君に

…………用なんて…………ない。

だから、歩いて帰る。』

もう一度、健太の手を掴んで

中に引っ張りいれる。

『頼むから言うこと聞いて

そんなに怒るなよ。』

なんで、そんなに怒ってるのか

たかが、「俺からは連絡しない。」って

言っただけじゃないか。

怒る意味がわからない。

『…………怒ってない。』

いや。

言葉と裏腹に静かな憤りを感じる。

『怒ってるじゃん。

なに怒ってるんだよ。

意味わかんね。

いい加減寒いし……』

と、いいかけた時に俺の言葉を遮って。

『翔君のバカ。

翔君の方がずっとバカだ。』

と、俺の手を再度振り払う。


『なんだと!!

どこがバカなんだよ。』

こんなに優しくしてるのに………

こんなに心配してやってるのに………

バカとはなんだよ。


『……バカは

バカだよ。

………前を見ようとしないで。』

『…………どういう意味だよ。』

いい加減俺も、頭に血が昇っていく。

『いつまでも、

いなくなった人をずっと待っていて

目の前が見えてないんだよ。

自分一人が悲しいみたいに……』


"バシッ"


『智と、同じ顔して

そんなこと言うな。』

俺の右手が健太の左頬を叩いていた。



『……………翔君って……さ。

的を突かれるとすぐ殴るよね。

前もそうだった……………。

………やっぱり

…………………………帰る。』

叩かれた頬を手で押さえながら

健太が玄関のドアを開けて出ていった。


叩いた手には、健太の頬の感触が残っていて

その手を俺は、じっーとり見ていた。


「何してるんだよ。

俺は……………」

智と同じ顔で「いなくなった人」って

言葉が「亡くなった人」に聞こえ

幼馴染みの3人が、

それぞれ折り合いをつけて前を見ようとしているのに

俺だけは、一人で悲劇の主人公みたいに思えて………

と言うか、その事に自ら酔っているようで

それを見抜かれたような……

そんな感じ………


はっ!

と、我に返る。


そこにあった健太の姿がない。


益々、雪は降り


世界を真っ白に染めていく


吐く息は白く


音は雪が包み込む。

今、健太を追わないと

頭より体が動いて外に出た。


多分…………

あいつも泣いてる。

この寒空のもとで…………泣いている。


智でも、健太でも………


もういい。



歩道にとぼとぼと雪の足跡………


走って行くと


少し先に健太が、しゃがみこんで泣いていた。