『……………
俺は、知りたいんだ。
本当の事を…………』
と、ニノに言う。
『…………そうだね。』
と、ニノが頷く。
潤も、雅紀も、ニノだって
本当は俺と同じなんだ。
本当の事が知りたいんだ。
なぜ、俺達の前から消えたのか。
そして、今どうしてるのか……
それがわからないと
俺達の心は前に進めない。
『そう言えば、
あのまぼろしの彼はどうしたの?』
と、潤が思い出したように言う。
『まぼろしの彼?』
ニノと雅紀がキョトンとして
潤に目を向け
『ああ。
翔さん話してやってよ。
俺も聞きたい。
彼は実在し、誰だったのか。』
と、潤が言う。
あの時、会えなかったから
潤の中でもまぼろしになってたんだ。
『………彼は……………
違ったよ。
智じゃなかった。』
俺は、レモンサワーをクイッと飲んだ。
俺の言葉に二人がソワソワして
『え?
ええ?
どういうこと?
なに?
智じゃなかったって何?
教えてよ。』
と、食いついてきた。
『…………前にさ、
翔さんが会わせてくれるはずだった人が
智そっくりだったんだって。』
と、潤が俺と再会したときの事を二人に話した。
『なにそれ。
で、その人は?』
身を乗り出して俺に尋ねる雅紀。
俺が
『色々確認したら
智じゃないことがわかって…………
それっきり会ってない。』
と言うと
『色々確認した?
どうやって?』
と、ニノが言う。
『彼から聞いた。』
『何を?』
『名前とか
今までどうしてたとか』
『名前?』
『…そう。……
矢野…………健太って言うんだ。』
『矢野健太。』
俺の話を聞いていた3人が頭を捻る。
そんな名前の知り合いがいたかどうかって
考えているんだろう。
『で、何してた人?
どこに住んでるの?』(潤)
『……………どこに住んでるかはわからない。
けど、小児がんで病院生活が長かったらしい。
脳腫瘍で大きい手術をしたとかで
頭に傷跡があった。』
『それだけ?
確認って…………
もし、智がうそついてたら?』(ニノ)
『そんな風には見えなかった。
だいたい、うそつくの下手くそだったじゃないか。』
『記憶を…………
差し替えられてたら?』(ニノ)
『まさか。』
『そう言う治療も有るって
聞いたことがあるぜ。』(潤)
『本当に?』(雅紀)
まさか…………
まさか………………
まさか………………………
俺の脳裏に彼の顔が浮かぶ
でもそれは
今となっては智なのか、
健太なのか、わからない。
『………矢野………健太…………?
俺、この名前…………
聞いた事があるような気がするんだけど………
思い出せないわ。』
と、ニノが呟いた。