つまらなそうに口を尖らせ
サイダーの入ったグラスをストローで
クルクルクルクルしている姿が
俺が見た智の最後の姿となった。
「中学最後の夏休みに、皆で花火大会行こうぜ。」
って、提案したのは俺だった。
二学期になったら否応なしに受験モード。
5人でワチャワチャとふざけることが出来るのも今だけだ。
だから、思い出作りのはずだった。
初っぱな、あまりの人の多さにゲンナリして
ついでにニノが具合が悪いと言うし………
花火見るより人を見るみたいな状況。
「じゃあ、カラオケ行こうか?」って
提案したのも俺。
丁度、俺を逆ナンしてきた
お姉さま達が奢ってくれるって言うし
駅の近くのカラオケ屋に入ったんだ。
入る早々お姉さま達が、やたらと俺と翔君の体に
ベタベタ触ってくるし
ニノや智を「かわいい、かわいい」って
撫で回す。
相葉ちゃんはひたすら歌わされて。
楽しくもなんともない。
その内、智が
「おいら、トイレ」
って、部屋を出ていって
その後を追うように翔君も席を立ち出ていった。
それっきり、二人はそのまま戻っては来なかった。
「やられた。」
と、思った。
翔君が、智を好きなのは知っていたから……
口には出さないけど
態度で丸わかりさ。
多分、智も翔君を………………好きだ。
俺だって………
ずっと智が好きだった。
けど…………
叶わないって知っていた。
だから、
「智が幸せだったらそれでいいや。」って
諦めたのに
なのに、こんなことになってしまって………
学校は、始まっていると言うのに
智の姿がない。
そして、翔君は一度も学校に来なかった。