「もしもし…………」
ちょっと元気のない声がする。
『和?』
一応確認。
「うん。」
よかった。和だ。
『今日どうした?』
「……………」
『どうした?』
返事がない。
聞いてるのか?
『和?』
少しの沈黙のあと
「……………潤…………ごめん。」
と、小さい声がした。
『何が?』
俺は小さい声を聞き漏らさないように
スマホを耳に宛てた。
今にも消え入りそうな声で
「………………智さん…………
どうしてた?」
と、言う。
『はあ?
…………何で智?』
また、沈黙…………
「…………………今日……………
会いに行った……………」
『はああ~………なんで?
学校休んでなにしてんの?』
「……………ごめん。
俺、酷いこと言った。」
『わかんない……
なんの話?
意味がわからないんだけど…………』
「ごめん。
潤のシナリオ通りには行かなかった。」
『え?!』
『そう……悪あがき』
と、言うと俺はフライドポテトのナフキンにボールペンで書き出した。
『まず、和が櫻井の家に言って告白して来い。』
ボールペンで「告白」と書く。
『で、櫻井は好きな人がいると断る』
櫻井はペケと書く。
『受け入れてくれないなら家出するとか言ってごねる。』
抱きついたりすると書く。
『櫻井に「やっぱりあの人(智)がいいの」ってなって
俺と一緒にプチ家出をする。』
家出と書く。
『結局、俺たち(智と翔)が悪かったってなって
許してくださいって頭を下げさせて。
仕方がないな…………智を幸せにしろよって……なる。』
反省の後、
仕方がないから許すと書いた。
『これが一応概略な………』
と和に渡すと
気乗りしてない和をとにかく急かして
櫻井の家に向かわせた。
俺は自宅で待機。
和から来るであろう連絡を待っていたが来なかった。
そして、学校も休んだから計画がどうなってるのかも分からない。
それで今の電話………
俺にはさっぱりわからない………
でもこれだけはわかる。
智は和に何か言われて
傷付いたんだ。