「はあ~あ………やっちまった………」
俺はバカだな。
和にキスをするなんて………
意味はなかった
ただ、そういう流れのように
意識もなくチュッって軽く触れただけなのに……
遊びのようなものなのに……
俺のバカ。
ピアノの蓋を閉めようと近づくと
いつも下を向いて書いてるノートが置いてある。
突然飛び出したから忘れていったんだ。
ぺらぺらと捲ると
沢山の詩が書いてあり
楽譜も挟んであった。
「凄いな……………」
あいつは夢に向かって歩いてるんだ。
読んではいけないと思ってはみたものの
抑えが気かない俺は欲望に負けてしまい
ノートを開き読んでしまった。
そこには翔兄への溢れる思いが書いてあった。
教室に戻ると
和に「ごめん。」とだけ言って
机にノートを置いて立ち去った。
俺は、いつのまにか智の事よりも、
和の事を考えていると言うことに気づいた。