"さとし"に会いたいと智が言うので"さとし"を連れ出した。
実家に車を置いてさとしと走り出す。
母が何かブツブツ言ってたけど
気にも止めず、智の待つ公園に急いだ。
俺の実家の近くには大きな公園がある。
最初、抵抗があったんだ。
智がまた、事件を思い出して倒れないかと心配で。
でも、「大丈夫だよ。大丈夫」ってしきりに言うから
「じゃあ、直ぐ来るから」と言って急いでいた。
………あの時、母の様子に俺が敏感であれば……………
『智、お待たせ。』
走って来たから心臓がバクバク。
『翔……………
そんなに急がなくても良かったのに…………
大丈夫?』
と、ペットボトルのお茶をくれて
本当に綺麗に笑った。
俺が見惚れてると
『"さとし"………
う~ん…………可愛いなあ…………こいつ………』
と、智が"さとし"を撫で回す。
可愛いのは……あなたの方だよ……って突っ込みたいほど………
なんて可愛い人なんだろう………
"さとし"は、久しぶりの再会に尻尾をブンブン振って喜んでいる。
『翔……?』
『なに?』
『さっきね。公園の奥で大勢の人の声がしたの
行ってみない?』
『あーあ。ここの公園はいろんな人が
いろんなパフォーマンスをしてるからね。
面白いよ。
行ってみる。』
『うん。』
そう言って、奥に入っていく。
樹木がキラキラと光を落とし
吹く風に初夏を感じ
絵を描いてる人や、漫才をしてる人
演技をしてる人にパントマイムしてる人
本当に沢山の人が思い思いのパフォーマンスをしていて面白い。
智が楽しそうにそれらを見て笑ってる。
それを見て俺も楽しくなる。
そして、"さとし"もはしゃぐ。
『なんかあっちでジャグリングしてるらしいよ。
行ってみる?』
と、通りすがりに人が言ってたことを聞いて
智に聞いてみた。
『うん。』
"さとし"が走り出した。
『あっ………
待って………靴ひもが………』
と、智が止まったのに"さとし"は止まらない。
『翔………すぐ行くから、行ってて』
『わかった。』
俺は"さとし"に引っ張られて人だかりの中に入っていく。
振り向くと智のしゃがみこんで靴紐を結んでいる姿が見えて
「すぐ来るな」って思って前を見た。
人を引き付けられるパフォーマンスを見ていたら
どれくらい経ってたんだろう。
隣、もしくは後ろにいるはずの智がいないことに気づいた。
『あれ?』
抱き抱えていた"さとし"を下ろして
辺りを見回した。
先程しゃがみこんでいた場所には姿がなく
少し先にある屋台にいるかと思ったけどいない。
俺の背中に嫌な汗が伝い落ちた。
まさかどこかで倒れてる?
それとも拐われた?
すると"さとし"が走り出した。
その先に目をやるとベンチに腰掛けてる智が見えた。
疲れて座ってたんだね。
驚いたよ。
ちょっとお腹も減ったしね。
俺は屋台でホットドッグを買うと智の元に急いだ。
※すみません。
次がラストですが
限定です。
ほんとーに申し訳ありません。