『それって…………』
母の話を聞いて俺は言葉を失った。
『許せない…………はずだ………
…………なんで………
…………教えてくれなかったの?』
『………………』
そうだよね。
報道関係のキャスターをしてる俺の家族に指名手配がいるなんて…………言えないよな。
あの人にそんな事があったなんて…………知らなかった。
俺が呼び止めた時に、
確かに背中が震えてた……………
俺の声と遼の声は兄弟だけあって似てると言われる。
だから…………怯えてたのかもしれない。
智さんの受けた屈辱と痛みと苦しみを思うと
胸が痛い。
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
どうしたら償えるだろう…………
どうしたら癒してあげれるだろう…………
どうしたら……………
智は、あれから目を覚ますことなく5日目を迎えた。
たまにうっすらと目を開けて、起きたかと思うと
涙をツーと一筋こぼしてまた眠る。
そんなことを繰り返していた。
病院に運ばれ緊急手術が行われ
無事に終った………というのに………
「なんで起きないんだろう?」
智の髪を、頬を優しく撫でる。
「このまま目覚めないほうが……今はいいのか………」
肉体的な傷が癒されるまで………は………
智が目覚めない間にニノの病院にも行った。
ニノも命の危険は去り
少しづつ回復している。
後は、逃亡したあの男が何をするかだ。
今度こそ俺が守ってやるから…………