『はいい?』
相葉君の話が見えない。
『おーちゃんが京都に言ってちょっとたった頃。
俺、ニノにコクったの。
んで、一回デートした……映画館で
たしか、ニノちゃんがデートしないって誘って
待ち合わせしたんだ。』
懸命に思い出してくれている優しい相葉君。
『そうかっ』
『でも、結局それで終わり。
後日、おーちゃんが好きだから………って断られた。』
『え?
おかしいよ。
俺は「相葉君と付き合ってる」って言われて
フラれたんだから』
『いつの話?』
『俺が京都から帰ってすぐ』
『俺んちに皆が集まった日?
あの日、本当に久々にニノちゃんに会ったんだから』
『うそ………』
『本当だよ。
ニノちゃんはなんでそんなこと言ったんだろうね。』
なんでそんな嘘ついたんだろう。
『………単に俺と……別れたかったんだろうな。
理由が欲しくて相葉君の名を出したんだよ。
………相葉君と付き合ってなくても
今さらどうでもいい話だけどね。』
『もう、5年も前の話だもんな。』
噛み合わなくなった俺達はもう交わることはないんだろうな。
ニノはあの日、どんな思いで俺を抱いたんだろう。
あの日のニノを思い出す。
優しさの欠片もなく捩じ込まれた痛みが蘇る。
でも、夢うつつに覚えているのはニノの優しい声と手………
何を言ってたっけ……
今さら………だけどね。
『大野君ソロソロ戻って…………って』
翔くんが呼びに来た。
『わかった。
相葉君会えて嬉しかった。
元気でね。』
俺は立ち上がり相葉君の前に手を出した。
相葉君も俺の手を握り
『大きなお世話かも知れないけど……
ちゃんとニノちゃんと話し合ってみて』
心配そうな顔をするから
『うん。
わかった。連絡してみるよ。
じゃーね。』
と相葉君と別れた。
『今の人、大野君の友達?』
と、翔くんに聞かれて
『そう。高校時代の友達。』
と答えた。
『ニノちゃんって大野君の彼女さん?』
翔くんがニノの名前を出すから驚いて振り返った。
『え?聞いてたの』
『ごめん。聞こえた。』
『趣味悪いよ。
忘れて………』
さっさと歩き出した俺の腕が掴まれて引っ張られた。
引っ張られ体を壁に押しあてられて「壁どん」状態。
俺の顔の左右に翔くんの腕が突いて、通せんぼ。
『言えよ。
俺の質問に答えて』
翔くんの低い声が俺の耳を犯す。