『智くん、心まで病気にならないで。』
俺はひざを抱えてベットの脇に座り智くんに訴えた。
『俺の知ってる智くんは………』
おれは思い出す。
俺は智くんの笑った顔が大好き。
醸し出す空気が大好き。
それは側にいる人を和ませる。
与えられた仕事は一生懸命頑張り、弱音を吐かない。
自分を後回しにして人を気遣う人。
涙もろくて、優しい人。
そう……考えれば考えるほど智くんの行動の意味がわかってくる。
『…俺の知ってる智くんは…………
心の強い人だって』
『………』
『…ねえ。
24時間TVのパーソナリティしてた時、
会った人を覚えてる?』
『……』
『今の智くんと同じ病気で……
それでも、前向きに生きていた人を。』
『…うん。…
…ブログ…読んだ。』
『智くん。
自分で限界を決めたらそこで終わりなんだよ。』
『……』
『彼の人生を智くんは惨めって思った?』
『…………』
智くんが枕に顔をうつ伏せながら大きく左右に振った。
『……出来ないことじゃなくて
出来ることを一緒に見つけようよ。』
『………』
『智くんの……
傷みも…悲しみも………
俺も一緒に背負わせてよ。
一緒にいたい。
俺が幸せになりたいんだよ。
……皆もそう思ってるから……』
『………わかってる。
皆の気持ちは………』
『じゃあー』
俺は智くんの方に向きをかえて、ベットに顎を載せた。
『おいら………
重いよ。
…………もう無理て言っても
……………ダメなんだからね。
離れてあげれないよ。』
智くんが俺の方に顔を向けて泣きながら笑った。