おいらは打ち上げ会場で翔くんを探していた。
『翔くんならさっきトイレに行ったよ。
すぐ戻るでしょ。』
とスタッフの一人が教えてくれた。
おいらは聞きたい事があった。
コンサート中にいつも翔くんを見ると目が合う。
視線を感じて振り向くとそこにはいつも翔くんがいた。
おいらがセンターステージに向かって走って行くといつもおいらを待っていてハグをする。
まるで演出の様に。
ファンの子達は「キャー」って言うからいいんだけど。
おいらは翔くんの真意が聞きたい。
おいらは翔くんが大好きだから……。
どんだけ待っても翔くんが戻ってこない。
帰った?
おいらはトイレに行ってみた。
トイレは空っぽ?
おかしいなあ?
トイレから会場までの通路はここだけなのに?
『……?
人の声がする?』
非常階段のドアをゆっくり、少しだけ開けると翔くんが誰かと話している声がした。
『でも、大野さんには二宮さんが……』
『そうだね。
……だから告白するつもりはないんだよ。』
『そんなの…苦し…過ぎる…よ。』
『ありがとう。
君は優しい子だね。
俺なんかよりいい恋しろよ。』
『さっ。戻ろうか。』
おいらは急いでその場を離れた。