糠漬け | 女魯山人のブログ

糠漬け

今日は糠漬けのお話です。

糠漬けは本来は夏のものですが、私は、勿論一年中漬けています。

今回、ハワイに糠床を置いてきたので又、一から作ります。

昔は糠床をおばあちゃんのときから継ぎ足して使っていますとかが自慢だったときもありましたが、それは昔の話で、しかも自分のうちでお米を作り脱穀して糠も自家製で野菜も自分で作っているときのお話です。

今は糠にも多少の農薬が付いているでしょうし、お野菜も自分で作っている以外はオーガニック野菜と言っても多少の農薬は使っているでしょう。

そうしたものを使って何年も同じ糠を使うと野菜からも農薬が染み出して結局、糠の中の農薬の濃度が高くなってしまいます。

そこで今は、2,3年に一度は全く初めから糠床を作ったほうがいいと言うことになっています。

お漬物は全般に添加物のオンパレードです。しかもお漬物は買うと結構高いものです。

添加物を取りたくなかったら売っている漬物は(どんなに上等のものでも)食べてはいけないものの筆頭です。


そんな訳で手作り糠漬けをがんばって作りましょう。

初心者には今頃の季節に始めるのが失敗がなくてお薦めです。

暑いときだとちょっと手を入れるのを忘れるとカビが生えたりして結構大変です。今の季節なら部屋の中でも2日くらいは手を入れなくても大丈夫です。

勿論、毎日手を入れたほうが美味しくなります。

出来れば暖房の効いていない廊下などに置くのがお薦めです。


1、5リットルから2リットルの水を沸騰させて塩を加えて海水くらいのカラさにする。

お米屋さんで新鮮な糠を求めます。

糠を、使う分の半分くらいをテフロンのフライパンなどでゆっくり焦がさないように気をつけて炒る。炒ったら新聞紙などに広げて良く冷ます。下の写真は新聞紙に広げて冷ましているところです。もともとの糠より少し色が付いています。塩は粗塩を使うのがいいでしょう。


炒った糠 塩水も良く冷まして糠をつける容器に炒った糠と炒っていない糠を合わせて入れ、塩水を加え、良く混ぜて硬いくらいの状態にしてビールをコップ一杯くらい加え、赤とうがらし(鷹の爪)を5,6本加えて最初の糠床を作る。出来たら捨て漬けといって最初の2,3回は美味しくないので安い胡瓜や蕪を買ってきて塩で揉んで漬けて捨てます。野菜から汁が出易いキャベツや白菜なんかもいいでしょう。

蕪の葉っぱもこんな風に輪ゴムで止めるとばらばらにならなくて出しやすくていいです。白菜なんかも切ってつけると漬け易いのですが、ばらばらになるので晒しやガーゼで袋を作ると便利です。



蕪の葉っぱ


こんな風にゴムで止めたり下の写真のように晒しの袋にばらばらになり易い野菜を入れるといいでしょう。






糠漬け用の晒しの袋















糠漬け容器


私はこんな容器を使っています。

割と小さい容器です。25cmx17cmくらいの大きさです。この大きさなら夏場に冷蔵庫に入れるのも邪魔にならなくていいです。

胡瓜2本と蕪1,2個くらいは十分漬けられます。



胡瓜や蕪も塩もみすると野菜からのうまみが糠に出てきます。

セロリなんかも香りが良くなって捨て漬けにはいいです。

3日目くらいから本漬けに入ります。

最初のうちは糠が馴れていないので味がもう一つですが、だんだん美味しくなってきます。


一週間ほど経ちました。

こんなにおいしそうな糠漬けの完成です。


糠漬け 胡瓜、蕪、セロリ、茄子です。
中川自然坊の器に入った漬物
糠漬けを入れた白い粉吹きの器は唐津焼の中川自然坊の作品です。私の大好きな作家です。





唯、毎日手を入れることだけ続けてください。

漬けない時でも手は入れましょう。

糠に手を入れると手が荒れません。糠の適度な油が手の荒れを防ぎます。

美人の誉れ高い小野小町も糠袋で身体を洗ったといいます。

手を入れる暇が無かったり何日か留守をする場合は糠の表面に塩をうっすら被る程度に振り入れて冷蔵庫に入れます。

そうすれば発酵が進まずカビとかが生えません。

でも、発酵していない糠は漬けてもあまりおいしくありません。

冷蔵庫に入れっぱなしで野菜をつけるのでは美味しくできません。

添加物ゼロの自家製漬物を是非作ってみてください。

今の季節なら暖房の効いていていないところに置いてあるのなら夕方漬けて朝ごはんにちょうど良く漬かっているはずです。

真夏の暑い季節ならお昼に漬けて夕方には食べられます。

時間の調整は冷蔵庫に入れたり出したりして調整します。最初のうちは漬かりすぎたり浅漬けだったりと試行錯誤を繰り返すと思いますが、自分なりの美味しい糠漬けが出来るようになると思います。


作ってみましょう。










ちっとも難しくありません。