「え、まって、ケンのそのTシャツ、どういうことなの?」と摩美さんが言った。
僕は自分のTシャツを見た。
実家の近くにある古着で購入したTシャツだった。首元がよれてきたので、稽古着(けいこぎ、稽古中に着る服)に降格したものだった。
「ね!私も気になってた、なにそれ!!?なんで脳みそ描いてあんの?」
と言ったのは、客演の井口千穂さんだった。
ぼくのTシャツの不可解さに稽古が中断され、皆まじまじとTシャツを眺めだした。
気持ち悪い!
意味がわかんない!
なんなんだこの儀式!?やめさせろ!!
いますぐ燃やすべき。
と散々なことを言われ、いささかショックを受けた。
だって、僕がこのTシャツを発見をしたとき、「なにこれ超かっこいい!!」
以外の感情は湧かなかったのに、人前に出したら、あまつさえ魔女狩りのような目にあってしまったのだ。
オシャレ弱者の悲しき無情...。
僕はそれ以降、グラニフなどポップなデザインのTシャツを着るようになった。
(Twitterに投稿された平野の当時の様子)
しかし、好きなものはやっぱり好き。
たとえ稽古を停めようとも!
自分らしいTシャツを着て行こうと思ってます!
乞うご期待!!!