娘が、福岡の試合から、帰ってきた。

表街道ではないが、
一応、全国大会と言われる試合だ。
優勝すれば、海外遠征もついてくる。

行く権利を得たのは、9月。
大会は、2月。

出場権は得たが、平日の福岡には、
仕事もあるので、連れていけないよ、
と諦めさせていた。

が、選手仲間のお母さんと、
たまたま福岡の試合の話になったので、
図々しく、お願いしてみた。

「よかったら、
 娘も一緒に連れて行って
 もらえませんか?」

「いいですよー。」

なんと、ありがたい。

おまけに、飛行機の手配も
すぐにしていただいた。

親切すぎる。

私だったら、
そんな風にふるまえるだろうか、
と自分と重ねてみたりする。
が、悲しいかな、
私には、そんな余裕が見当たらない。
本当にありがたい。

行くことをあきらめていた娘は、
嬉しそうに旅立っていった。

二泊三日。
タイトなスケジュールだったらしい。
娘からは、ほとんど連絡が来なかった。

ぶっきらぼうに、試合結果が届くのみ。

結果は、ベスト8。

いつも、
負けても、
それがどうしたという顔をする娘が、
かなり、悔しがっていたと、
教えてもらった。

同行できなかった私には、
見ることが出来なかった表情だが、

私が、同行してないからこその
表情だったのかもしれない。

あーだ、こーだ、とそばで、
私に指示されるのではなく、
自分で、コートに立ち、
相手をしっかり見て考えて、
挑んだからこその悔しさだったのだろうと、想像する。

私は、結果をメールでもらって
いつも以上に落ち込んだ。

「おかあさんは、そおやって、そばで
 ため息をつくから、嫌やねん。」
といつも、言われるけど、
そぉ、いつもは、
中日ドラゴンズを応援してるのと同じ。
つまり、ファン心理のため息。

今回は、
そぉじゃなくって、
私から離れて、
戦いに行った娘の
いつものがんばりや、
優勝を目指していただろう願いを
思っての親心理の、落ち込み。

私にできるわけではないが、

勝たせてあげたかったなぁ。。



さぁ、私にできることは、
テニス代を稼いで、
栄養を考えて、
後は、黙ってコーチに
お任せすることだよ、
と言い聞かせているところ。

今回の福岡遠征、
娘が、私のところから、
一歩踏み出した。

それを確認した、私がいる。

十分すぎる成果ではないか。

あのとき、快諾いただいて、
今回、連れて行っていただいた
選手仲間のお母さんに
心から感謝するのである。