―結論―
漫画原作のアニメを見て、
「このキャラクターの声、私が思ってたのと違う!!」
と思ったことがある人は、非常に幸せな人である。
―漫画は、不完全なメディアだ―
アニメは、完全に近いメディアだ、と思う。
ストーリーがあり、絵があり、声があり、声優さんの演技があり、音楽がある。
次の場面へのテンポも、完璧に決めてくれている。
漫画は、不完全なメディアだ、と思う。
ストーリーがあり、絵があり、文字があるが、声はないし、声優さんの演技もないし、音楽もない。
次の場面へのテンポも、ある程度しか決まっていない。
そう考えると、漫画は、アニメに比べ、不完全なメディアだ、と思う。
―だからこそ、漫画は楽しい―
だからこそ、漫画は楽しい。
不完全なメディアだからこそ、漫画は楽しい。
声が無い、音楽が無いということは、自分の想像力で、勝手にキャラクターの声や演技を決めて良いし、流れる音楽を決めて良いということだ。
次の場面へのテンポも、コマを読み進めるタイミング、ページをめくるタイミングで、自分で決めて良いということだ。
自分も、その作品の演出に参加できるということだ。
不完全なメディアだからこそ、自分の想像力が入り込む余地があるので、漫画は楽しい。
―想像は、同時に創造である―
想像は、同時に創造である。
物理的に何かを生み出していなくても、心の中で、何かを作り出している。
想像は、同時に創造である。
―想像は創造であり、創造は楽しみである。―
創造するのは楽しい。
自分なりの物を作るのは楽しい。
世の中に、商業目的外の創造物が溢れているのが、その証拠である。
想像は創造であり、創造は楽しみである。
―漫画は、読むだけで、
その創造という行為の一端を
読者サイドに担わせてくれる―
漫画は、読むだけで、その創造という行為の一端を読者サイドに担わせてくれる。
その楽しみを分け与えてくれる。
ストーリーや絵で楽しませてくれつつ、キャラクターの演技、盛り上げる音楽、テンポ感などを、自分で想像、創造する楽しみまで与えてくれている。
―そもそも、アニメと漫画の楽しみ方は、
微妙に違うのだ―
そもそも、アニメと漫画の楽しみ方は、微妙に違うのだ、と思う。
アニメは、漫画よりも完全に近いメディアである分、より多くの人が関わっている。
アニメのエンドクレジットを見ていただければ一目瞭然である。
より多くの人が関わっている分、より多くの人の想像力と創造力が詰まっている。
アニメは、その、より多くの想像力と創造力を楽しむことが出来るメディアなのである。
アニメには、用意された沢山の想像力と創造力に身を任せる楽しさが詰まっている。
漫画は、アニメよりも不完全なメディアである分、自分の想像力の入り込む余地が、より多くある。
より多く自分の想像力が入り込む余地がある分、より多くの想像と創造の機会がある。
漫画は、その、より多くの想像と創造の機会を楽しむことが出来るメディアなのである。
―なぜ、
「自分の思ってたのと、
声のイメージが違う!」
と思ったのか!?―
「自分の思ってたのと、声のイメージが違う!」
漫画原作のアニメを見て、そう思ったことは、ないだろうか!?
そう思ったことがある人は、なぜ、そう思ったのか、理由を考えてみてほしい。
なぜ、「自分の思ってたのと、声のイメージが違う!」と思ったのか!?
理由は簡単。
原作の漫画を読んで、「このキャラクターは、こんな声だろうな」、「こんな喋り方をするんだろうな」と、自分なりの想像をしていたからである。
そういう想像をしていたからこそ、アニメを見て、「イメージと違う」と感じたのである。
もともと、そのような想像をしていなければ、「イメージと違う」ということは起きないのだから。
―創造の楽しみを知っている人―
原作の漫画を読んで、「このキャラクターは、こんな声だろうな」、「こんな喋り方をするんだろうな」と、自分なりの想像をしていた人は、自分なりの創造を楽しむことができる人ということである。
創造の楽しみを知っている人、ということである。
創造という人生の楽しみを持っている人、ということである。
人生の楽しみを持っているということは、幸せな人、ということである。
―結論―
漫画原作のアニメを見て、
「このキャラクターの声、私が思ってたのと違う!!」
と思ったことがある人は、非常に幸せな人である。