現在の食塩摂取基準は、男性9g、女性7.5gですが、来年度からはじまる「食事摂取基準2015」ではさらに低く、男性8g、女性7gとなります。
しかし、WHOでは6g未満、高血圧の人も6g未満と、世界基準では6g未満が推奨されているのですが、日本では現状が10~12g摂取しているということから、現実的な数字で「男性8g、女性7g」に設定されたということなので、食塩摂取量は、低ければ低いほどいいという説明を「食塩摂取基準2015」説明会(京都府立大学大学院生命環境科学研究科 教授. 木戸 康博先生)でしていただきました。
ところが、この結果に物申す最新の疫学調査が、N Engl J Med *の8月14日(2014 Vol. 371 No. 7)に掲載されていましたので、紹介します。日本語概要

※元ネタは、安田女子大学 箱田雅之教授の講演会(2014年10月25日、於:奈良女子大学)からです。


【方法】
17 ヵ国の 101,945 人から朝起きてご飯を食べるまでの尿を採取し,24 時間ナトリウム・カリウム排泄量を推定.
尿中ナトリウム・カリウムの推定排泄量と,死亡および主要心血管イベントの複合転帰との関連を検討しました.

【結果】
推定食塩換算量が10.2g~15.1g(ナトリウム排泄量が4.00~5.99 g/日)の場合と比較して、多い(≧15.2 g/日)場合は、1.06倍、1.15倍とたくさん摂取するほどリスクが上昇し、食塩摂取が多いと心血管疾患のリスクが高くなることが推測されました。
と、ここまでは、当然の結果です。ここから、下のグラフをもう一度よ~く見てください!
7.6g/日未満の場合、1.19倍と多過ぎるよりもリスクが高くなっています!


つまり、塩分摂取が少なすぎたら、心血管疾患リスクが上昇するんです!
冒頭の食事摂取基準2015の基準、WHOの基準を思い出してください。
実は、食塩摂取6.0g未満ってやばいんちゃうの???
今でちょうどいい感じかも?

ただし、間違えないで欲しいのは、『高血圧は、食塩摂取が少なければ少ないほど、リスクは低くなります。』
あくまでも、心血管疾患リスクが食塩摂取量と必ずしも相関しないということです。

原因は、食塩摂取が少なすぎると、レニンアンギオテンシンアルドステロン系活性が起こり、動脈硬化に悪い影響があるのではと箱田教授はおっしゃっていました。

あと、カリウムの摂取量は多ければ多いほど、心血管疾患リスクが減少しました。
このことから、野菜はたくさん食べるといいということですね!
野菜をたくさん食べるとNaを尿中に流してくれるので、減塩効果もあります。長寿で知られている長野県は、Na摂取も多いが、カリウム摂取も多いので知られています。(漬物文化だから?)
私が住んでいる奈良県は、野菜摂取量が女性ワースト2位、男性ワースト8位です。
奈良県では、減塩を県あげての対策として取り組んでいますが、「塩分減らす」というより「野菜を増やす」という視点が大切だと個人的に思っていましたが、今回の調査結果で「やはり」という感じです。

野菜摂取量の目標は、1日350g!
手ばかりで1日山盛り3杯(ゆでれば、グーで3つ分)の野菜を食べましょう♪。


*;『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(英語:The New England Journal of Medicine、略称:N Engl J Med または NEJM)は、マサチューセッツ内科外科学会によって発行される、英語で書かれた査読制の医学雑誌である。継続して発行されている医学雑誌のうちでは世界で最も長い歴史を誇り、また世界で最も広く読まれ、最もよく引用され、最も影響を与えている一般的な医学系定期刊行物となっている。日本版は1997年より南江堂から発行されている。(引用元:wikipedia)日本語概要版は、南江堂サイトから引用しました。