海辺の町で暮らしたことのある人はわかるでしょうが、
朝方や夕方に
堤防や浜辺に佇んで海を眺める老人の姿。

ぼんやりとばくぜんとという風に
あるいは
何かの様子を確かめたり観察している風に
海の遠くに視線を送り足の近くの波に目をやり
そうしながら
朝方や夕方のほぼ同じ時刻に
佇み海を眺める老人の姿。


田園広がる田舎の町に住んだことのある人はわかるでしょうが、
朝方や夕方に
土手や畦道に佇んで田畑を眺める老人の姿。

ぼんやりとばくぜんとという風に
あるいは
何かの様子を確かめたり観察している風に
緑の遠くに視線を送り足の近くの土に目をやり
そうしながら
朝方や夕方のほぼ同じ時刻に
佇み田畑を眺める老人の姿。


ささやかに花壇や畑を始めてみて
少しわかったことがある。
花の様子も野菜の姿も
眺めて飽きない魅力がある。
素人だから
目の付け所も目の利かせ方もデタラメだけど、
朝な夕な僕の気持を呼び寄せる
そんな魅力が花壇と畑にはあるのだ。

何かを観ているとか考えているとか
そういった凝縮ではなく
繋ぎ目とか結び目が緩く遊んでいる
そういった散漫のような
心地よさだ。


これは
自分があの老人の仲間入りをしたということなのかも。
きっと、そうなのかも。