いやだなぁいやだなぁ煙草を一本つけたけど煙はたちまち風の中バカな話さ大人になるなんて
    
今は吸わないのだけどかつてはライトヘビー級のスモーカーでね 喫茶店に入ると数人ですぐ灰皿を山盛りにしてしまったものさ 初めてのお相手はチェリーというウブな子だった それからルナとか蘭とかと浮き名を流し ハイライトとはすっかりデキちまって 同棲時代長く付き合うことになったのさ 大きな声じゃ言えないがその間ショートホープとか両切りピースと浮気もしたよ でもセブンスターの誘惑にはよろめかなかったぜ そんなだからタバ子の魅力は十分過ぎるほど知ってるし その豊潤な味わいをたっぷり堪能もした 恋の季節は終わったというのに 今も指を絡めゆっくり深く 口づけたくなる衝動にかられることがあるから困ったものさ
    
時は流れた移ろった 星の流れに占う身 そうなりはてた麗しタバ子 輝く望月謳歌したのに愛しのタバ子 あの部屋この部屋オン出され通りからさえ締め出され スガタもニオイもしかめた顔と冷たい視線 日活シネマのスクリーンはいっつもケムリでくもってたのに 大藪ハードボイルドヒーローがケムリを深く吸い込む様は羨望すぎる仕草だったのに 栄枯盛衰は世の習い 身悶えしてもしょうがないかしょうがないさ
    
さぁ煙草に火をつけて何処へ何処へ行こう さぁ煙草の煙をくゆらせて何処へ何処へ行こう