おお~やぁやぁ
ハハハこれからですかぁ
     
駅のコンビニでペットボトル茶とバターピーナッツを買って券売機に向かおうとした時 仕事帰りのサラリーマンおじさんから話しかけられたんだ
    
ああ…ハハハそうなんですよ 親しげな表情の中に弱々しさを交えながら応対したんだ 誰だか全然分からない でもここまでニコヤカにハッキリと自分に話しかけられているわけで 相手は機嫌良さそうだけど酔っている様子ではない これはキット僕がすっかり忘れてしまっているだけなのだ そうたじろぎながら頭の中はこの手の人と接触するケースの記憶を総動員しているのだか あいまい検索にさえ引っ掛かってこないのでマイッタ
   
ハハハこれからですかぁ
ハハハそうなんですよぉ
     
繋がっているものか伝わっているものか 少なくとも僕にはちっとも意味を成さない会話を交わし会釈しあって別れたんだ
    
俺はほんとに俺だろうな あの男を知らない俺が自分であると疑わないが あの男を知ってる俺がほんとの俺だとしたら あの男を知らない俺をほんとの俺だと思っている俺は何者なんだ 俺はもしかしたら別の世界に入り込んでしまったんじゃないか? いつだ? コンビニの自動ドアをくぐった時か? あの夏のように触れて去った風のしわざか?